板書ノートは板書を写すだけのものではありません。
勉強の効果を高めるには、一工夫が必要です。
「先生の板書をきちんと取っているのに、効果がない」と思っているのなら、この記事でお伝えするシンプルな板書ノートの作り方を実践してみるとよいかもしれません。
今回は、成績の上がる板書ノートの書き方・作り方のコツをご紹介します。
目次
成績があがる板書ノートの書き方・作り方のコツ!記憶定着のメカニズムは?
板書ノートとはいえ、板書を写すだけだと後から復習したときに、内容がなかなか思い出せず、理解できないことが多いですよね。
なぜなら、板書は先生が大事な部分だけをメモ書きしているからです。
つまり、極端に言ってしまえば、″重要用語の羅列″のようなものなので、これだけ写しても話のつながりが分からないのです。
それでは、復習時に授業内容を理解できるような板書ノートをつくるには、どうすればよいのでしょうか。
今回は、板書ノートの書き方・作り方のコツについてお伝えします。
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<ページを3つに区切ろう-情報を自分の血肉にする>
板書用のノートは、その名のとおり板書を書き写すノートです。
でも、板書はみんなが書き写すものなので、何の工夫もなしに単に書き写すだけでは、他の人と全く同じノートになってしまい、勉強の効果も上がりません。
何か一工夫することで、板書ノートも価値あるものへと変化します。
最大限の効果を得るためには、「ページを区切る」ことがポイントです。
まずはノートを開き、真っ白な1ページを用意しましょう。
そして、この1ページを3つに区切ります。
なぜ3つに区切るのか、それぞれのスペースには何を書けばよいのかについては、後ほどご紹介しますね。
ページの区切り方については、縦に区切る線と横に区切る線の2つを引きます。
横に区切る線は、上から5分の4の位置に引きます。
その一方で、縦に引く線は、左から4分の3の位置に引きます。
これで1ページが3つに区切れました。
それでは、この3つのスペースには、それぞれ何を書けばよいのでしょう。
一番大きなスペースには、板書をそのまま写すようにします。
そして、縦長のスペースには先生が口頭でつけ加えたことで、自分が重要だと判断したものをメモしておきます。
このメモ書きが案外とても大切です。
復習時に、先生が口頭で話していたことと板書の両方を頭の中で再構成することで、授業が再現され、内容が記憶に定着するからです。
このスペースは大切なので、次の項目で個別に取り上げることにしますね。
そして、ノートの下の横長のスペースには、自分で調べたことなどの補足事項を書き込んでみましょう。
板書を写し、先生の話を聞いていても、なお理解しきれないことはたくさんあるはずです。
「この用語の意味がよくわからない」、「この結果に至るプロセスを知りたい」と思ったときに、自分で調べて手に入れた情報を記すことで、内容の濃い板書ノートを作れます。
後でゆっくりと復習するときには、講義中には思いつかなかったことについて、あらゆる角度から眺めて考える思考力を養えますよ。
このように、ページを3つに区切ることで、確実に講義内容を自分の中に落とし込めるのです。
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<縦長のスペースの活用方法-雑談こそメモしよう>
縦長のスペースには先生が板書ではなく、口頭で伝えたことをメモすることを前の項目でご紹介しました。
先生がわざわざ黒板に書かず、さらっと口で伝える内容は、ぼうっとしているとつい聞き流してしまいます。
しかし、一見あまり重要そうに見えない″こぼれ話″が内容理解につながる大きなカギとなるのです。
先生が口頭で話すものの中でも、一番大切なのは雑談です。
雑談というと、授業の本筋から全くそれた、中身のない息抜き話としてとらえてしまいがち。
でも、実は雑談の内容が授業内容とつながっていたり、不思議と雑談とセットで内容を覚えてしまったりと、雑談と授業内容は互いに結びつくことが多いように思いませんか。
雑談の上手な先生は授業内容とはかけ離れた話をしているようで、実はそのテーマの本質を突いていることが多いです。
板書も大切ですが、それ以上に雑談が理解を助けてくれるのですね。
よく、雑談の巧みな先生は「メモはしなくてよいので、聞いてください」といいます。
そして、このような雑談こそ授業テーマの本質を突いていたりするのです。
先生からこのように支持されたら、まずはしっかりと話に耳を傾け、頭の中でよく咀嚼してみましょう。
なんとなく理解できたら、縦長のスペースに後で先生の雑談を思い出せるよう、簡単にまとめておきましょう。
このように、見事に授業内容とからみあう雑談がある一方で、正真正銘の雑談も存在します。
つまり、全くといっていいほど授業の内容とは関係のない話のことです。
しかし、このような雑談も侮れません。
先生は全く授業とは関係ない笑い話をしますが、おかしな笑い話は授業以上に覚えていることが多いですよね。
想像がつきにくいかもしれませんが、このような効果を上手く利用することで、授業内容が記憶に定着するのです。
記憶定着のカラクリは次のとおりです。
何か先生が授業とは関係のない雑談をしたときに、面白いと思ったり、笑ってしまったり、自分の心に強く働きかけてきた話を縦長のスペースにメモしておきます。
すると、あとで復習するときに、「この内容について説明していたときに、あの雑談が入ったんだ」と鮮明に思い出せます。
このように、雑談をメモしておくことで、真面目な授業内容と息抜きの雑談をリンクさせることができ、記憶に定着しやすくなるのです。
<使う色ペンに気を遣おう>
板書ノートを作る上でこだわりたいのが、色ペンの活用方法です。
ほとんどの人がノートを取るときには、色ペンを使っているのではないでしょうか。
自分が大事だと思った箇所を色ペンで強調することで、記憶にも残りやすくなりますよね。
しかし、大切なのは色ペンの使い方です。
ふだん、ノートを取るときには、何色のペンを使っているでしょうか。
色文字が多すぎてしまうと、気が散ってしまい、集中力も散漫になります。
できるかぎり色に統一性をもたせ、集中力を高めるためには、使う色を絞る必要があります。
ベストは1色~2色でしょう。
このくらいであれば、色分けの基準も設定しやすく、また色も少ないので集中力が欠けることはありません。
そして、どんな色を選ぶかも大切です。
というのも、色は人に心理的な影響を与えるからです。
それでは、どのような色を使えばよいのでしょうか。
おすすめの色は、青・オレンジ・黄色の3つです。
このうち、好きな2色を選べば、勉強の効率が上がりますよ。
それぞれどんな効果をもつのか、確認してみましょう。
青は集中力と判断力をサポートする色。
副交感神経を刺激して、精神的な落ちつきを与え、精神的にも肉体的にもリラックスさせる効果をもちます。
この効果を利用して、集中力を上げることができるのですね。
きっかり青でなくても、水色・青緑などの寒色系の色であれば、同じ効果が期待できます。
また、青は時間の経過を遅く感じさせる効果をもっているので、試験が近く焦っているときなどには、時間を気にせず落ち着いて勉強できます。
オレンジ・黄色は、気持ちを前向きに、元気にしてくれる効果をもちます。
オレンジの場合は、温かいエネルギーを与える効果があり、気持ちが元気になります。
そのうえ、傷ついた心を癒してくれる効果ももっています。
「最近ついていなくて、気分が落ち込む」、「この間の試験結果が悪くて元気がでない」と、憂鬱な気分になってしまったときには、見ているだけでも元気をもらえるので、気持ちをうまく切り替え、勉強に集中できますよ。
その一方、黄色は知性を高めてくれる効果をもちます。
左脳を刺激する色なので、頭の回転が速くなり、記憶力や理解力、判断力を高め、勉強の効率も飛躍的に上がりますね。
ちなみに、オレンジあるいは黄色のペンで書いた文字は、赤色のシートをかぶせると消えます。
暗記科目の勉強にはぴったりの色ですね。
また、青のペンと黄色のふせんは、集中力を上げるための最高の組み合わせとも言われています。
他方、注意すべき色は赤色です。
赤は強いエネルギーを与えるため、黄色やオレンジと同じようにエネルギーを補給するときに役に立つ色です。
しかし、その一方で、赤色には興奮作用もあり、血圧や脈拍を上げてしまうため、集中力が欠けてしまうと言われています。
実際に、ロチェスター大学のエリオット博士が行なった実験では、IQテストの表紙を赤色にしたところ、他の色よりも20%も平均点が下がったのだそうです。
このように、色にも気を遣うことで、板書ノートもより一層使いやすくなりますよ。
シンプル、かつ集中力を高めてくれるような色を選び、やる気を上げてみましょう。
【まとめ】
今回は板書ノートのコツについてご紹介しました。
ポイントは、「3つの区切りをつくること」、「先生の雑談を縦長のスペースにメモすること」、「色に気を遣うこと」です。
この3つのポイントをおさえるだけで、整然としていて、かつ情報のつまった質の高い板書ノートをつくることができますよ。
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