春、桜とともに思い浮かぶ「履修申告」は、大学生が新たな1年を迎えるための大事な一仕事です。
履修要項やシラバスに載った大量の授業内容に目を通しても、情報が詳細であるため、履修の方法について理解しがたいことが多いものです。
特に大学1年生の方は、初めて自分で時間割を組む必要性に迫られ、困っている方も多いでしょう。
今回は、履修の手順や注意点、授業の取り方の基本についてご紹介します。
目次
履修方法をマスターしよう! 大学の授業選びのコツとラク単について
でも、履修申告を行う前に一通り履修の基礎について知っておけば焦る必要もありません。
今回は大学1年生の方向けに、履修の″いろは″について、ご紹介します。
<単位について>
まずは、単位の基本について確認しましょう。
大学では、通常卒業までに124単位取ることが求められています。
1コマの単位は大体2単位で、科目によっては1単位、あるいは3単位の科目もあります。
3単位の科目は、文系学生向けの自然科学(物理・生物・化学)などが該当する場合が多いですね。
各学年で取るべき単位の数は定められており、大学1年生の場合は45~50単位ほどです。
また、1年生のうちに取得しなければならない科目も指定されており、その科目は必ず時間割に含める必要があります。
<履修の手順>
履修登録は毎年、新年度が始まる度に行いますが、入学したての頃は時間割を作るのにも一苦労します。
それに加え、1年生は3、4年生と比べてたくさんの授業を受けるので、履修するかしないか、吟味すべき授業数が多いものです。
そこで、あらかじめ履修に関する一連の作業をおさえておくと、スムーズに履修を組めます。
早速確認してみましょう。
① シラバスを見よう
大学の授業が始まる前には履修登録用のシラバスが配布されます。
シラバスは自分の所属学部で受けられる授業が全て載っている冊子で、「教員名」「科目名」「テーマ」「授業内容」「時間」などが簡潔にまとまっています。
このシラバスを見て、受けてみたい授業を絞り込みます。
シラバスを読む時点では、純粋に面白そうだと思う授業を選びましょう。
新年度になると大学の授業は、その授業を取るかどうか決めるためのお試し授業(=ガイダンス)から始まりますが、その前に目星をつけるためにシラバスに目を通します。
・先輩にアドバイスを求めよう
大学の授業は、シラバスを見て決めただけでは履修に失敗してしまう可能性もあります。
シラバスの説明を読んで面白そうだと思っても、実際に授業を受けてみると退屈であったり、先生が厳しかったりすることもあります。
新年度最初の1週間にあたるガイダンス期間は、1コマにつき1~2の授業しか見学することができません。
厳しい授業や退屈な授業はガイダンス前に選択肢から外して、他に見学したい授業に時間を割きたいところです。
そのためにも、ガイダンス前やガイダンス中には、サークル選びと兼ねて、先輩から授業の評判について聞いておくと良いでしょう。
ほとんどのサークルが勧誘の一環として、履修相談を行なっています。サークル選びのついでに先輩にアドバイスを請いましょう。
先輩であれば、授業の評判や授業内容について詳細な情報を持っています。
特に同じ学部の先輩であれば、同じカリキュラムの授業を取ることが多いので、取るべき授業について的確に教えてくれます。
・時間割を組もう
ガイダンスに出る前までに、大体の時間割を作っておきます。
この時点では、まだガイダンスには出ていないので、あくまでも仮の時間割に過ぎません。実際に時間割を確定させるのは、ガイダンスに出てからです。
ただし、ガイダンス前までに仮の時間割を作っておくことで、見学するべきガイダンスを分かりやすくまとめることができます。
時間割を組む際には、1年生のうちに取らなければならない必修科目や選択科目を不足なく盛り込むことができているか、慎重に確認しましょう。
・ガイダンスに出よう
ガイダンス、ここが1番大事なポイントです。
シラバスに目を通し、先輩にアドバイスをもらった上で時間割を組んだら、早速その時間割を基にガイダンスを受けに行きます。
ガイダンスとは、新学期の1回目の授業のことを指します。
初回の授業では、通常の講義を行うのではなく、1年あるいは半期の授業の進め方について説明を行う「導入」が行なわれます。
ガイダンスで最も注意して聞くべき項目は以下の4点です。
① 期末は試験かレポートか
② 試験の場合は持込可能か
③ 毎回の講義で出欠を取るか
④ 評価方法について
ガイダンスでは、この4点について確認することが大切です。
大学においては、期末試験を課す授業、試験ではなくレポートを課す授業に分かれます。
一発の試験よりも、レポートにじっくり取り組んで、その上で成績を評価して欲しいと思うのであれば、レポートを課す授業を選びましょう。
また、試験を行う場合は、授業ノートやプリントの持込が可能な授業もあります。
試験の際に持込が不可能な場合は、試験の準備に時間がかかってしまうので、できるだけ持込可能な授業を選択するのがおすすめです。
また、出欠確認の有無についても気になるところです。
最近はほとんどの先生が出欠確認を取るようになりましたが、先生によっては出席を重視しない場合もあります。
テストやレポートの出来を重視しているからです。
授業に出るよりも自学自習で勉強したい方には、このような授業もおすすめです。
ただ、授業を欠席してしまったが故に、単位を落とすのはもったいないことなので、レポートやテストの出来に自信の無い方はきちんと授業に出ましょう。
授業担当の先生は試験・レポート・出欠について説明した後に、評価方法について伝えてくれます。
つまり、全体の評価のうち出欠が何%を占めて、試験・レポートが何%を占めるかということについて情報提供します。
大体、出欠が30%~40%、試験・レポートが60%~70%の割合を占めます。
出欠が重要な科目は授業に出ないと、試験やレポートの成績が良くても単位を落としてしまうこともあるので、注意しましょう。
・時間割を決定し、履修申告しよう
ガイダンスを受けたら、その授業を受けるかもう一度考え、時間割を決定しましょう。
授業の評価方法や出欠、授業内容について見直し、無理なく成績を取れそうな授業であれば、受講を決定します。
大学では、学生専用Webサイトから履修申告を行います。
通常、Webサイトでの履修申告期間が決まっているので、くれぐれも時期を逃さないように気を付けましょう。
履修申告期間を過ぎてしまうと、留年となる場合があります。
<大学1年生の履修の仕方>
「大学に入ったら好きな学部で、好きな勉強ができる」と期待してしまいがちですが、下級生のうちは全員取得しなければならない科目の履修に追われます。
どの大学のカリキュラムも、1・2年のうちに多くの必修科目を設けているので、仕方のないことです。
その代わり、大学前半のうちに、卒業までに取らなければならない科目の単位を取得してしまえば、大学3・4年生で自分の好きな勉強に思う存分取り組むことができます。
卒業までに取れば良い科目も、できる限り、1・2年で取得してしまいましょう。
ゼミや卒業論文の作成・就職活動に時間を割かなければならない3・4年生が、必修科目を受けるのは案外大変です。
3・4年時に余裕を持った学生生活を送れるよう、1・2年のうちに必修科目の単位は取ってしまいましょう。
<時間割作りの注意点>
時間割の作り方は人によって異なりますが、どの方にも共通する注意点があります。
その注意点を踏まえて時間割を組むことが大事なので、ここで触れておきますね。
・朝が苦手な人、午後が苦手な人で時間割の立て方が違う
時間割の立て方で大切なのは、「朝に強いかどうか」ということです。
多くの方は朝が苦手なので、1限から授業を入れないように時間割を組んでいます。
どの大学も1限は9時台に始まるので、9時までに大学に到着するためには早起きする必要があります。
毎日授業を1限に入れたために、遅刻・欠席が続いてしまうと、単位を落としてしまう可能性が高くなります。
朝が弱い方は、1限に授業を入れないように心がけましょう。
一方で、「朝が得意で、授業は午後の早い時間に切り上げたい」という方もいらっしゃるでしょう。
その場合は朝から授業を入れれば、午後は自由な時間を作ることができますよ。
・必修科目の取り方
大学1年生は多くの必修科目を取る必要があります。
1年生のうちに取らなければならない必修科目は1つでも落としてしまうと留年となります。
しかし、必修科目を落とさないように工夫できることがあります。
それは、必修科目の中でも「ハードな必修科目」を1日に幾つも入れないことです。
「ハードな必修科目」とは一体何でしょう。
代表的な科目を挙げるとすると語学科目が当てはまります。
大学では第二外国語を勉強しますよね。
第二外国語は通常必修科目であり、宿題もテストもしっかりと課される、「負担の多い科目(=ハードな必修科目)」です。
したがって、語学科目を同じ日に2コマ以上入れてしまうと、宿題や試験勉強が追い付かず、単位を落としやすくなります。
そのような事態を避けるためにも、負担の多いハードな必修科目は1日に1つ入れるように時間割を組みましょう。
<「ラク単」の落とし穴に気を付けよう>
最後に、「ラク単」と呼ばれるものについて考えてみましょう。
大学に入ると「ラク単」という言葉を良く聞くでしょう。
「ラク単」とはその名の通り、「楽に単位を取れる科目」のことです。
「ラク単」には、試験が易しかったり、出席さえしていれば、教授がほとんどの学生に「A」をくれたりする授業が多いものです。
ただ、「ラク単」には落とし穴があります。
「ラク単」でも、単位を落としてしまうことがあるのです。なぜでしょうか。
多くの場合、「ラク単」と呼ばれる授業は、「退屈だけれども、単位は確実にもらえる」という授業です。しかし、人間極度の退屈には限界があります。
先生が学生の指導に熱心でない場合は、恐ろしく退屈な授業が行なわれることも多いものです。
「ラク単」という理由で、そのような授業を取ってしまうと、その退屈さに耐えられなくなり、出席しなくなる可能性があります。
たいてい「ラク単」は、出席だけは重視されるので、欠席が多いと単位をもらいそびれてしまうのです。
「ラク単」の退屈さに耐えられる方もいらっしゃいますが、退屈な授業を我慢してまで単位を取りたくないという方は、「ラク単」よりも自分の興味のある科目を取りましょう。
私も大学1年の時に、先輩から「ラク単を取るよりも、自分の興味のある科目を取った方が楽しいし、先生からも良い評価をもらえるよ」とアドバイスをいただきました。
その忠告通りに履修したので、ほとんどの授業は退屈することなく受けられました。
「好きこそものの上手なれ」。
この方法で履修してみるのもおすすめです。
ただ、文系の方の場合は、大学1年生のうちに取得する必要のある自然科学(物理・生物・化学)が苦手な方も多いと思います。
苦手な分野は「ラク単」を取ることを強くおすすめします。不得意科目は「ラク単」を上手く利用しましょう。
【まとめ】
慣れればそれほど騒ぎ立てることではありませんが、大学生にとって履修申告は、1年の学校生活が掛かっている大事な作業です。
授業の取り方で、自分の生活リズムも決まるので、履修は生活面にも影響を及ぼします。
「ラク単」は実はラク単でないこともある、という点は意外でしたね。
私も先輩からそのことを教えていただいた時、驚きました。
自分の性格・ペースに合った時間割作りを心がけてくださいね。
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