花粉症対策の食べ物として、レンコンは野菜の中でも最も効果のあるものなので、何かと話題になります。
レンコンが良いということを耳にしても、正しい食べ方はきちんと理解しているでしょうか。
レンコンを使った花粉症対策で大事なことは、レンコンの成分の性質・効果、正しい摂取法を理解するということです。
この要点をおさえて確実に効く花粉症対策を行ないましょう。
目次
花粉症対策の食べ物はレンコン!レシピや甘酒の効果は?
レンコンは野菜類の中でもとくに花粉症に効くことで有名です。
しかし、レンコンといっても、普段のような食べ方では効果も薄れてしまいますよ。
レンコン作戦で花粉症体質を改善するには、こつこつと継続することと、食べ方をしっかりと理解することがポイントなのです。
今回は、花粉症対策として、レンコンの成分とその効果、正しい食べ方などを中心に、一緒に確認して行きましょう。
<花粉症に効くレンコンの3成分とその効能>
レンコン成分には、健康に効果のある成分が多く含まれていますが、その中でも花粉症に効く成分は3つです。
その3成分とは「ムチン」「タンニン」「食物繊維」です。
この3つの成分が私たちの花粉症の悩みを小さくしてくれるのですが、それぞれの成分がどのようなもので、どんな効用を持っているのでしょうか。
さっそく、個別に確認して行きましょう。
・ムチン
レンコンは包丁で切ると切り口に粘り気がありますよね。このねばねばは「ムチン」と呼ばれる粘り成分です。
実はこのムチン、レンコンなど粘り気のある野菜だけでなく、ヒトの気管や、胃腸などの消化器官の粘液にもたくさん含まれているのです。
動物の上皮細胞から分泌され、あらゆる粘膜に含まれている物質がムチンなのです。
このように、粘膜にぬるぬるとまとわりつくムチンのおかげで、粘膜が保護され炎症が抑えられます。
そして粘膜が保護されることで、花粉やウイルスなどが人体に侵入しにくくなるのです。
したがって、ムチンとは花粉バリアのような役目を果たしているといえるでしょう。
☆タンニン
さらに、レンコンには「タンニン」と呼ばれるポリフェノールが含まれており、抗アレルギーの作用をもたらします。
つまり、花粉症の原因となるIgE抗体を抑制する作用を持っているので、タンニンは他のムチンや食物繊維と比べて最も花粉症に効き目のある成分なのです。
(IgE抗体については、「花粉症対策の食べ物!即効性がある食べ物は?」のページで簡単に説明しているので、花粉症についてより詳しく理解したい方はそちらをご参照ください。)
また、タンニンには抗酸化作用もあるので、老化防止やがん予防にも効果的だと言われています。
タンニンは植物の色素や苦み、渋み、アクの成分のことを指します。
したがって、レンコンの場合は、皮のアクの部分やレンコンを切ったときに現れる黒ずみの部分に多く含まれているのです。
特に、皮の周り2㎜∼3㎜に集中してタンニンが含まれているので、レンコンで花粉症対策を取る際には、この部分をしっかり摂取することがポイントとなります。
最後の方で皮を使ったレンコンの摂取方法をご紹介するので、参考にしてみてください。
また、タンニンの特徴としては、体に蓄積できないということが挙げられるので、レンコンは定期的に摂取する必要があります。
具体的な摂取の目安は後ほどお話ししますね。
☆食物繊維
レンコンには食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維には、腸の善玉菌を増やす働きがあり、これによって腸内環境を整え、向上させることで、人体全体の免疫力が上がります。
腸の調子を良好にするだけで、随分と免疫力が上がるんですよ。
それは、腸が人体の免疫機構のおよそ6割を作り出しているためです。
<レンコンの摂取頻度>
レンコンについては、埼玉医科大学の和合治久教授の研究によってその効果が明らかにされていますが、和合教授によれば、レンコンは1日40g、輪切りで3つ食べ続けると効果が高くなるそうです。
これくらいの量のレンコンを、毎日の習慣として摂取し続けると2週間ほどで症状が改善されます。
<花粉症に対するレンコンの威力、実際のところは?>
花粉症に効くと騒がれているレンコンですが、実際のところ本当に効果はあるのでしょうか。
レンコンには即効性はありませんが、2週間以上継続して摂取することで体質改善され、効果が出るということが、研究の結果明らかにされています。
実際、2週間から1カ月ほどで半数以上の人が効果を感じるようです。
レンコンの効能に詳しい埼玉医科大学の和合教授の実験によれば、レンコンの成分を食事から3ヵ月間取り続けた620人のうち、81%の人が花粉症の症状が軽減されたと答えたという結果が出ているのです。
継続してレンコンを摂取して、体質を改善してみましょう。
<花粉症に効く皮つきレンコンの使い方>
レンコンに含まれる「ムチン」「タンニン」「食物繊維」の3つの成分のうち、もっとも花粉症に効果のあるタンニンは、レンコンの皮のアクの部分に含まれています。
この部分を切り落とさずに、皮ごとレンコンを摂取すると良いのですが、皮は食べにくいでしょう。
また、粘り気で粘膜を保護してくれる「ムチン」は熱に弱いようです。
したがって、ムチンの効果を最大限出したければ、瞬間的にささっとゆでるのが良いようです。
しかし、皮を残してささっとゆでたレンコンはあまり美味しくありません。
ここで、美味しく食べやすいのに、花粉症効果を低下させないレンコンの使い方をご紹介します。
☆皮つきレンコンのポタージュスープ
一番のおすすめは「皮つきレンコンのポタージュスープ」です。
これならば、皮を捨てずに調理できます。
また、スープなどの料理で汁ごと食べるようにすれば、加熱されてムチンがレンコンから排出されてしまっても、水溶性なのでスープの中に溶け、成分を逃さずに摂取できます。
また、ポタージュにすれば小腸から直接成分を吸収できるので、より一層花粉症に効果的なのです。
ここで、簡単なレシピもご紹介します。
・材料
レンコン 一ふし
豆乳 400cc
酒 大さじ2
だし 20cc
白だし 大さじ3~4
黒こしょう 少々
刻みパセリ 少々
菜種油 適量
・作り方
1、 皮つきレンコン一ふしを半分に切り、一方は皮つきのまますりおろし、もう一方は皮つきのまま細かい角切りにする。
2、 すりおろしたレンコンと角切りレンコンの両方と、酒、白だしを鍋に入れて3分間火にかける。
3、2に熱が通ったら豆乳、菜種油、黒こしょうを加えて10分程度煮る。
4、スープ皿に移し、軽くパセリをかけて出来上がり。
また、レンコンポタージュ以外で効果的な食べ方は、乳酸菌の含まれている食べ物とともに摂取するという食事法です。
乳酸菌も腸の調子を整え、体の免疫力を上げるため花粉症への効果が期待できる成分なのです。
この食事法の代表例としては、レンコン汁入りの甘酒とレンコンヨーグルトです。
・レンコン入り甘酒
市販の甘酒にレンコンの絞り汁を入れて飲みます。
レンコンの絞り汁を作るには、ますレンコンを皮ごとすりおろし、ガーゼやキッチンペーパーで濾過します。濾過した汁100を熱湯でうすめれば完成です。
これを市販の甘酒に入れて飲みましょう。
☆レンコンヨーグルト
ヨーグルトも花粉症に効く食品として知られています。
ヨーグルトの効能については、次回お話ししますが、花粉症に効くレンコンとヨーグルトをセットで摂取することでより高い効果が期待できるのです。
レンコンヨーグルトはレンコン粉末をヨーグルトに振りかけて食べます。
ただし、全てのヨーグルトが花粉症に効くわけではないという点に気をつけなければなりません。
効果のあるヨーグルトとは、プロバイオティクスと表示されているもの、あるいは生きたまま乳酸菌が届くものなので、そちらのタイプのヨーグルトを使いましょう(詳しくは次回お話しするヨーグルトの効能でご紹介します)。
レンコンヨーグルトに使うレンコン粉末は手作りも可能ですが、効果を得るために毎日食べていると、手間も費用もかかってしまうので、市販の「レンコンパウダー」を購入するのがおすすめです。
以上がおすすめのレンコン摂取法です。
ちなみに、少しでも手間を省きたい方は、レンコンサプリなども購入できるので使用すると良いでしょう。
無農薬・皮つきのレンコンを使っているサプリもあるので、安心です。
【まとめ】
花粉症において、レンコンは皮が大事だということ、忘れないようにしましょう。
即効性はありませんが、専門家の研究では、継続して摂取した方の多くがその効果を感じているということが明らかになったので、ある程度信頼できる花粉症対策です。
レンコンはこんな食べ方もあったのか、と楽しみながら花粉症対策を行なってみてくださいね。
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関連記事:花粉症に効果があるヨーグルトの種類は?おすすめの食べ方は?