七夕は幼い子供にとって楽しいイベントでありながら、たくさんの疑問の宝庫にもなります。
七夕の由来は何? どうして短冊にお願いごとを書くの?
このように、説明を求められることも多いでしょう。
今回は、好奇心旺盛の子供たちの期待にも応え、簡単な説明ができるように、七夕の由来についてご紹介しますね。
目次
七夕の由来を子供向けに簡単に説明!短冊に願い事を書くのはなぜ?
幼稚園や小学校で、子供は七夕のイベントに触れることが多いものです。
先生からも七夕について教わると思いますが、好奇心いっぱいの子供たちは家に帰ってきても七夕に関して不思議に思うことが次から次へと湧いてくるでしょう。
あらゆることに興味津々の子供たちの質問には、大人も答えられるようにしておきたいですよね。
でも、案外子供の質問に言葉が詰まってしまうことが多いものです。
今回は、七夕の由来について子供向けに簡単に説明できるよう、確認してまいりましょう。
<七夕のお話って、どんなお話?>
小さな子供に七夕について説明する時には、大人が最もよく知る織姫・彦星のお話のあらすじを聞かせてあげましょう。
このお話のあらすじは、
「天の神様は、一生懸命働く織姫さまと彦星さまを結婚させて、2人は仲良く暮らしたけれど、仕事を怠けるようになったから、離ればなれにされたんだよ。それで1年に1回しか会えなくなったの。」
といった形で説明すると子供にもとても分かりやすく伝わります。
もうすこし詳しく物語を聞かせてあげたい時には、「日本と中国の七夕伝説を比較!発祥の地はどっち?」の記事でご紹介した織姫・彦星の物語を聞かせてあげてくださいね。
<織姫と彦星の物語から得られる教訓>
織姫と彦星は、言い伝えとして純粋に楽しむこともできますが、その物語には深い教訓が隠されています。
単純なストーリーではありますが、大人にとっても興味深い教訓が得られるのです。
それは、次の3つです。
1. 一生懸命自分の仕事(使命)に取り組んでいれば、好きな人に出会うことができる
2. 遊びほうけていると、周囲の人にも被害を与えてしまい、罰が当たる
3. 常に今ある生活に感謝する(1年に1回でも会えることから)
こんなことがこのお話から学べるんだよ、とお話の後に伝えましょう。
<七夕の由来の説明>
さて、多くのお子様は先ほどの織姫・彦星のお話を知っていますが、なぜ「七夕」という名前がついているのか、そして七夕のお祭りはどこで生まれたのか、知らないですよね。
大人でさえ知らないことが多いです。
ただ、子供が七夕に興味を示していたり、「どうして七夕っていうの?」と質問してきたりする場合には、何としてでもその疑問に答えてあげたいところです。
それでは、最初に七夕の名前の由来について、考えてみます。
・なぜ「七夕(たなばた)」って呼ぶの?
そもそも「七夕」と書いてなぜ「たなばた」と読むのでしょうか。これは完全に当て字です。
「たなばた」という読み方は、「棚機津女(たなばたつめ)」という言葉から来ています。
「棚機津女」とは古来の日本の禊(みそぎ:神事を行う前に、水辺で体を洗い浄める儀式)の行事として、着物を織り、それを棚に備えて神をお迎えすることで、豊作を祈り、穢れをはらう役割を担う女性のことを言います。
そしてこの行事は時を経て7月7日に行なわれるようになったため、「棚機津女」の「たなばた」の部分が「七夕」の″読み″として機能するようになったのです。
子供に簡単に説明する時には、
「昔、日本に″たなばたつめ″っていう女の人がいて、神様のために布を作っていたんだよ。その布を作って神様をお迎えする日が7月7日だったから、「七夕(たなばた)」って呼ばれるようになったの。」
と伝えると分かりやすいですね。
・「七夕」と呼ばれる風習の起源について
七夕にまつわる織姫と彦星の伝説物語が中国に由来することは有名です。
でも、「七夕」と呼ばれる風習・行事そのものは、一体どこから来たものなのでしょうか。
この風習もやはり、中国から伝わったものです。
もともと七夕の行事は中国の「乞巧奠(きこうでん)」と呼ばれる風習が起源となっています。
この行事は、織姫の伝説にあやかり、機織り・縫製が上手になるようにと7月7日に行っていたイベントでした。
具体的に何を行なっていたのかと言うと、女性たちが庭で5色の糸を針に通して、酒肴を祭壇にお供えし、機織り・縫製の上達を祈るということを行なっていたのです。
そして時を経て、書道の上達への願いも込められるようになり、現在のように様々な願い事をお願いするようになったのです。
子供に簡単に説明する時には次のように説明してみましょう。
「七夕のお祭りは、日本のお隣の国の中国から伝わったお祭りだよ。
中国では昔、織姫さまのように、織物が上手になるように、7月7日に神様にお願いしていたの。
そのお祭りが日本にも伝わって、織物だけじゃなくていろんなお願いごとをするようになって、今の七夕祭りになったんだよ。」
<なぜ短冊にお願いごとを書くの?>
なぜ短冊に願い事を書くのか知っているでしょうか。
「どうして短冊にお願いごとを書くの?」と子供は疑問に思うものです。
しかし、質問される側の大人に限って知らないものですよね。
質問の解答に詰まらないように、ここでしっかりその理由を確認しましょう。
なぜ、七夕の日に願い事のお祈りをするのかについては、先ほどご紹介した中国の「乞巧奠」が元になっていることが分かりました。
でも、「なぜ、「短冊」にお願いごとをするのか」。
その起源は江戸時代にまで遡ります。
江戸時代には今でいう、読み・書き・計算を行う学習塾と同じような役割を果たしていた「寺子屋」にて、子供たちの習字が上手くなるように、短冊にお願いごとを綴らせたのが始まりだと言われています。
字を書く練習と、習字の上達を兼ねて短冊にお願いごとを書いたのが由来なのですね。
<なぜ笹や竹の葉にお願い事を吊るすの?>
また、なぜ笹や竹の葉に短冊を吊るすのかについても疑問に思いますよね。
七夕の行事が始まる時代よりもさらに前から、竹や笹は神聖なものとして扱われていました。
特に笹や竹の葉が擦れ合う音は神様を呼ぶ音として考えられていました。
この音で神様をお呼びして、お願いごとを聞いてもらうために、七夕の短冊が竹・笹の葉に吊るされるようになったのです。
また、笹や竹は生命力があり、どんな気候にも強く、繁殖力も強かったために昔から神事に使われていました。
そのため、とても縁起の良いもの、あるいは厄除けとして見なされてきたのです。
さらに、竹を割ったときに表れる空洞の中には神様が宿るとされて、人々は神聖視していました。
神様ではありませんが、「竹取物語」に登場するかぐや姫も竹の空洞に身をおさめていましたよね。
昔の日本人はこのように竹を神秘的なものとして捉えていたのです。
おすすめ:保育園・幼稚園生の七夕短冊の例文!願い事の書き方は?
<短冊はなぜ五色なの?>
さて、「七夕の短冊はなぜ5色なのだろう」。
こんな素朴な疑問を持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
子供たちにとっても、非常に気になることの1つでしょう。
5色の短冊を使う由来は、「乞巧奠」で5色の糸を針に通していたことにあります。
さらに5色であることは、中国の陰陽五行説で言われている5つの色から来ています。
その5つの色は、赤・黄・緑(あるいは青)・黒(あるいは紫)・白です。
陰陽五行説において、これらの色は「赤→火」「黄→土」「緑(あるいは青)→木」「黒(あるいは紫)→水」「白→金」のように対応しており、この世界のあらゆるものの根源だとされています。
この陰陽五行説の5つの色は日本においても様々な行事で使用され、七夕の短冊にも取り入れられているのです。
陰陽五行説の説明は子供には難しいですね。でも、できる限り簡単に教えることはできますよ。
「なぜ短冊が5色なのかというとね、もともと中国では5色の糸を使って七夕のお祭りを行なっていたからなんだよ。
中国には5つの色が世界にあるすべての物のもとになっているって考えられていて、その色を使って色々な行事を行ったんだよ。
中国で大切にしている5つの色が日本にも伝わって、七夕の日にもこの色が使われるようになったの。」
このように教えてみると、子供たちもますます興味を持つようになるかもしれません。
難しいことも簡単に説明して、七夕の機会に子供たちの興味を引き出してあげてくださいね。
おすすめ:七夕の短冊はなぜ5色なのでしょうか?陰陽五行説の意味が関係!
【まとめ】
子供の好奇心は強いので、七夕についての質問はとても多いことでしょう。
なぜ短冊を書くのか、どうして竹や笹の葉を使うのか、なぜ七夕という呼び名なのか。
大人はこのような疑問を抱くこともなく、素通りしてしまいます。
子供たちのおかげで大人も勉強になりますね。
興味津々の子供たちの期待に応えられるように、七夕前には大人も知識を仕入れておきましょう。
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