日本では七夕の風習として、短冊に願い事を綴ります。
特に幼稚園・保育園時代には短冊を書いたと記憶している方も多いのではないでしょうか。
幼稚園・保育園で親が七夕の願い事を代筆することもあるでしょう。
そこで、今回は幼稚園・保育園に通われるお子様を持つ方向けに、願い事の例文やなぜお願いごとを書くのかについて、ご紹介します。
目次
保育園・幼稚園生の七夕短冊の例文!願い事の書き方は?
多くの方が幼い頃に、七夕の短冊に願い事を書きますよね。
今でこそ七夕の短冊には、様々なお願いごとを綴りますが、この風習にはきちんと由来があります。
なぜ七夕の日にお願いごとをするのか、どうして短冊にお願いごとを書くのか、そんな疑問が湧いてくるでしょう。
また、幼稚園・保育園に通われているお子様がいらっしゃる方は、短冊にお願いごとを書くよう代筆を頼まれることもあるでしょう。
そこで、今回は短冊に願い事を綴る理由や幼稚園・保育園のお子様のために書く願い事の例文についてご紹介します。
<なぜ、短冊に願い事を書くの?>
短冊に願い事を書くのはなぜでしょうか。
7月7日に願い事をする由来、それは昔の中国で行われていた行事にあります。
中国には「乞巧奠(きこうでん)」というお祭りがありました。
このお祭りでは7月7日の夜に婦人たちが集まって7本の針の穴に5色の糸を通し、捧げものを庭にお供えして裁縫や織物の上達を祈り願ったそうです。
そしてこれが、七夕の日にお願いごとをするそもそもの起源だと言われています。
この「乞巧奠(きこうでん)」、日本に伝わったのは奈良時代のことです。
当時の日本において、中国から伝わったこの行事は、宮中の年中行事として催されており、庶民の間では広まりませんでした。
庶民の間でも七夕の風習が行なわれるようになったのは、もっと後のことです。
庶民への普及について知る前に、この「乞巧奠(きこうでん)」という中国の行事に日本の風習も加わったことについても知っておきましょう。
平安時代などの貴族は和歌を通して自分の願いや気持ち、人への想いを綴っていました。
その際には和歌の紙に歌を載せたり、庭に生える草の葉に歌を書き、花を添えたりするなどの風流な習慣がありました。
さらに、歌詠みの日には、このように和歌を綴った葉や紙を枝に吊るして飾ることもあったと言います。
このように、和歌を人の目につく場所に吊るすだけではなく、自分が書き綴った字も人目にさらすので、字の上達の練習にもなったそうです。
和歌の上達と習字の上達の両方を願っていたのですね。
特に七夕の夜に詠う詩歌は、古くから神聖な木とされていた「梶(かじ)」という木の葉に綴られていました。
そして、この日詩歌を綴るための墨には「天の川のしずく」として考えられていたサトイモの葉の夜露を使っていたそうです。
とことん七夕にちなんだ習慣は、とても風流でロマンに溢れていますね。
庶民にも七夕の行事が広まるようになったのは、江戸時代のことです。
ただ、江戸初期には、まだ七夕は宮中や大名など、位の高い人たちの間で行われていました。
しかし、この時代には江戸幕府が七夕を五節句の一つとして定め、民間行事として迎えられるようになったことで、庶民にも身近で親しい催し物となったのです。
そのため、人々は詩歌や芸道の上達を願うようになり、梶の葉に願い事を書く代わりに、5色の短冊に願い事を書き綴るようになりました。
庶民の子どもたちが「読み・書き・計算」を習うために通っていた「寺子屋」においても、習字の上達を願い、七夕の時には短冊に願い事を綴るようになりました。
つまり、短冊に願い事を書く風習は、江戸時代に庶民の間で始まったことだったのです。
おすすめ:七夕の由来を子供向けに簡単に説明!短冊に願い事を書くのはなぜ?
<短冊以外にも願い事を込めた小物がある!>
笹や竹に飾る短冊の他にも、たくさんの七夕飾りがありますよね。
その飾り一つ一つにもきちんと意味があります。それは次のようになります。
・吹き流し:
織姫の糸を表したもの。長寿を願ったもので、魔除けの意味も込められています。
・紙衣(神衣):
裁縫の上達や無病息災を祈願。
棚機津女(たなばたつめ)が神様に捧げた着物として、七夕の竹の一番上に飾る。
棚機津女については「日本と中国の七夕伝説を比較!発祥の地はどっち?」の記事をご覧くださいね。
・筆、硯:
習字の上達を願うもの。
・くずかご:
清潔、節約、整理整頓の心がけを養うもの。
・スイカ:
豊作を願うもの。
・ひょうたん:
無病息災を願うもの。
・そろばん、大福帳:
商売繁盛の意味が込められています。
・網取り:
魚を捕るための網で、大漁・豊作を祈願したもの
・巾着:
金運を呼び込むもの。節約・貯蓄・商売繁盛の意味があり、昔のお財布を表しています。
・千羽鶴:
長寿を願うもの。その家の長者の歳の数の分だけ折ります。
このように、七夕飾りの1つ1つに深い意味が込められているのですね。
そして、なぜ笹や竹に短冊を吊るすのか、その理由については「七夕の由来を子供向けに簡単に説明!短冊に願い事を書くのはなぜ?」の記事をご覧ください。
<どの色の短冊に願い事を書けばいい?>
お願いごとを書くための短冊には、5つの色があります。これらの短冊の色は気にした方が良いのでしょうか。
実は、七夕の短冊の色はそれぞれの色に意味が込められています。
短冊の色は「青(緑)、赤、黄、白、紫(黒)」となっていますよね。
これらの色は、実は陰陽五行説に由来しています。
陰陽五行説では「木・火・土・金・水」が「万物の根源」として考えられており、この5つの要素はそれぞれ「木→青」「火→赤」「土→黄」「金→白」「水→紫」に対応しています。
そして、それぞれの色は次のような意味を持っています。
青(緑):「礼(儀・礼節)」人間力や徳を高める
赤:「仁(思いやり)」先祖・両親に感謝する
黄:「義(正義・義理)」人間関係を良好に築く
白:「智(知識・知恵)」知識・知恵を高める
紫(黒):「信(信頼・信用)」義務や決まり事をしっかりと守る
それぞれ、このような意味を持っているのですね。
したがって、短冊を書く時にはお願いごとに近い意味が込められた色を選ぶと良いのです。
たとえば、良い友達が欲しいと思ったら、それは人癌関係にかかわるお願いごとなので、黄色い短冊を選んで願い事を書くと良いでしょう。
<願い事が叶いやすい書き方は?>
お願いごとと言えば「~しますように」と書きますよね。
でも、これよりも一層願い事が叶いやすい書き方があるのです。
それは、「~する」「~になる」という″断言″の形を取る書き方です。
このように、断言することで自分の行動も無意識のうちに変わって行き、お願いごとも一層叶いやすくなります。
完全に人まかせのお願いごとではなく、自分に言い聞かせて行動に移して行くことで、願い事はより叶いやすくなるのです。
他力本願ではなく、自分の強い意志が必要だということなのですね。
おすすめ:七夕の短冊はなぜ5色なのでしょうか?陰陽五行説の意味が関係!
<保育園・幼稚園で書く短冊の例文>
さて、短冊の願い事の書き方を確認することができたので、次は具体的にお願いごとの例文を見て行きましょう。
お子様がいらっしゃる方は幼稚園や保育園で短冊をもらってくることが多いでしょう。
お子様はまだ文字を書くことができないことも多いので、親が代筆することがほとんどであるはず。
ポイントは、先に確認した「お願いごとの言い回し」と「短冊の色」です。
この2つに注意しながらお願いごとを書いて行きましょう。
幼稚園・保育園頃のお子様は自我が芽生えるお年頃なので、自分の希望や願いなどを持っているはずです。
お子様から、あらかじめ願い事を聞いておくと良いでしょう。その際には次のようなことについて尋ねてみましょう。
・今一番欲しいもの
・なりたいもの(憧れの職業)
・やりたいこと
・できるようになりたいもの
そして、具体的な例文は次のようになります。
「お友達の○○ちゃんと楽しく遊ぶ!」
「自転車に乗れるようになる!」
「嫌いなピーマンが食べられるようになる!」
「大好きなアンパンマンに会う!」
「将来はかっこいい電車を運転する車掌になる!」
「周りの先生やお友達に優しくなります。」
このような調子で例文を書いてみましょう。
この例文の言葉を変えて、お子様だけのオリジナルなお願い事を書いてあげてくださいね。
そして語尾は忘れずに、「~する」「~になる」というように、断定の形で書きましょう。
【まとめ】
幼稚園・保育園のお子様の立場に立ってお願いごとを書くのは意外と難しいですね。
自分が子供の頃何を願ったのかについて思い出すのも良いかも知れませんが子供のころの記憶はあまり覚えていない方も多いと思います。
普段からお子様がどんなものに興味を持って、何に憧れているのか、注意して見たり聞いたりしてみましょう。
お願いごとを書く際には、短冊の色と断定の言い回しに注意して書いてくださいね。
お子様から「どうして、七夕の日にお願いごとするの?」と聞かれることも多いので、子供の好奇心に応えられるようにしておきましょう。
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