<THE京都>というイメージをくつがえすような、そんな体験をしたいと思う方は、「レトロ」をテーマに京都を巡ってみてください。
戦前の影が残り、過去の忘れ物であるかのような喫茶や日帰り温泉。
間断なく衣装替えしてゆくその町並みを、自分だけ変わらぬ姿で見届ける博物館。
今回は、これらの過去の残骸″レトロ・スポット″の迷宮を彷徨いましょう。
目次
京都でおすすめのレトロ喫茶や日帰り温泉を紹介!
京都を紹介するガイドブックには、代表的な寺社や風情のある料亭、人で賑わう花街などの情報がたくさん詰まっています。
しかし、このありきたりな風景だけではなく、別の表情を探し求めることで、全く異なる京都の姿を目にすることができるのです。
今回のテーマは「レトロ」。
たとえ、自分の生きた時代でなくとも、自分の魂のどこかでそれを記憶し、その時代に心が反応するような、そんな哀愁を体験することのできるスポットをご紹介します。
<喫茶 築地>
こちらはやはり河原町の超レトロ喫茶「築地」。
中には入らなかったけど、この建物のタイル張りは一見の価値あり。ほんとに綺麗、そして独特。関西にいた頃はこの辺りはあまり来なかったなぁ。高瀬川沿いならよく歩いたのに。#純喫茶コレクション #レトロ喫茶 #レトロ建物 #河原町 #築地 pic.twitter.com/RjkCBP5pFL— せつないオトナの会。 (@setsunaiotona) 2016年11月27日
喫茶築地は昭和9年に創業した、京都の老舗喫茶の代表の一つに数えられます。
橙色の光を放つ照明と木の温もりに包まれるような温かな感覚を憶えてしまうと、人々は何度もこの喫茶に足を運んでしまいます。
一言で、「クラシックな雰囲気」と表すことのできるこの喫茶には、いつもバロック音楽が流れており、その旋律は訪れる者の心の底に潜んだ郷愁を誘い出すのです。
喫茶築地。ロココ調の店内は映画の世界だ… pic.twitter.com/IWY1xynXPe
— 歓喜団 (@maaaaberaaaa) 2017年3月22日
そんな喫茶店には初代の思いが溢れんばかりに詰まっています。
このお店のデザインはすべて初代が考案したものであり、お店の外のタイル貼りも自らの手で行ったというのです。
現在は3代目のご主人がお店を切り盛りされていますが、喫茶は初代のこだわりを貫き、昔の姿をとどめたままです。
この「喫茶 築地」の名物メニューはウインナー珈琲(550円)。
京都ロフトでふなっしーのショップが期間限定で出店しているので、行ってきました。
その帰り寄ったのが、初めての訪問となる喫茶 築地さん。
クラシックのかかる趣ある雰囲気の中、ウィンナー珈琲とムースケーキを頂きました。#純喫茶#純喫茶コレクション pic.twitter.com/gHzzsfjyha— チカボー (@ChikaSunnyday) 2018年2月15日
戦後間もないころ、薄いフレッシュしか手に入らない時代であったにもかかわらず、そのこだわりを守り通して本物の生クリームを加えたことにその始まりがあるそうです。
現代と共に生きながら、今でも自らの姿を保ち続けるこの喫茶で、ぼんやりと物思いにふけってみたいものですね。
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<喫茶ソワレ>
ずっと気になってるのに行けてないんよね…喫茶ソワレは行ったよー。ゼリーポンチは無かったけど。 pic.twitter.com/kP0aW5CKsd
— 🌷四月カバ(YQC(ゆきこ))🌷 (@yqc_decagram610) 2018年9月12日
ただレトロなだけではない、幻の空間を醸し出す喫茶が河原町駅近くに佇んでいます。
戦後、昭和23年に創業した「喫茶ソワレ」は、その「蒼い空間」が独創的で人形の館に彷徨いこんだような、魔法の迷宮の中に入ってしまったような、そんな感覚に襲われます。
なぜ他の喫茶店と比べ、群を抜いてアーティスティックな喫茶なのか。
それは、先代が大の美術愛好家で、東郷青児の絵画の蒐集家であったことにあります。
現にソワレの看板に描かれた女性のイラストは東郷青児の作品であり、その絵はグラスにまで描かれていることからも、先代のこだわりが手に取るように伝わります。
「喫茶ソワレ」の名物として挙げられるメニューは「ゼリーポンチ」です。
喫茶ソワレのゼリーポンチフロート食べてきた!
キラキラしててすごく綺麗なゼリーポンチだし美味しかったです! pic.twitter.com/enQwkrxDky— たそがれ (@tasogaren_212) 2018年9月13日
色とりどりの角切りのゼリーが涼しげにグラスの中に漂い、店の蒼い空気に溶け込む様子は、思わずじっと見入ってしまいそうになります。
夏の季節には、散策の合間にこの蒼く涼しげな空間で羽休めをするのも良いでしょう。
<南禅寺 水路閣>
お寺とレトロ。この妙とした組み合わせが共存する場所をご紹介しましょう。
哲学の道の終着点である南禅寺境内には「南禅寺 水路閣」が悠々と立っています。
赤色のレンガ造りの橋を一目見に、途切れることなく観光客が集まる場所です。
美しい写真を撮ることのできる場としても知られているでしょう。
この橋はおよそ120年前に建設されたものであり、明治維新直後に着工された琵琶湖疏水の分線途中にある水道橋です。
水路閣は3代目の京都府知事、北垣国道が発意したものであり、当時今の東京大学・工学博士であった田辺朔郎が手掛けたものです。
琵琶湖疏水建設の事業は甚だ大きなものであったので、京都市民からの税金を徴収しなければならなかったそうです。
つまり、水路閣は市民の批判と、建設の苦しみの末にようやくこの地に建てられた橋なのです。
その美しい建築の裏にはこのような苦労が隠されていたのですね。
ただ「きれいだ」と眺めるのも良いものですが、一昔前の時代に生きた人々のあらゆる立場に思いを馳せてみることで、この水道橋も全く違う姿になるのです。
下から赤レンガの橋を仰ぎ見る、脇にある階段を上がって橋の上を流れる水を見る、という2通りの楽しみ方があるので、水路閣を訪れる際にはこの方法で2つの姿を眺めてみてくださいね。
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<船岡温泉>
鞍馬口通に面して建つ船岡温泉。大正12年創業の船岡温泉の建物は国の登録有形文化財になっています。実はここ、当然のように内装も凝っていてすごいのですが、営業時間外でまだ中には訪問出来ておらず・・・。今後の課題とします。 pic.twitter.com/9K4u9CCFAB
— しばとら@廃墟事業部 (@shibatorakotsu) 2018年9月8日
銭湯好きが京都・西陣に来たら、絶対に外せない場所が船岡温泉です。
この銭湯は大正12年に創業した非常に由緒正しい温泉として知られています。
驚いたことに、船岡温泉の脱衣所と浴室の部分は2003年7月に国の登録有形文化財として登録されており、他の銭湯とは比べ物にならないほど妙妙たる銭湯なのです。
京都の銭湯の至宝・船岡温泉に行ってきました。やはり、ここは何回行ってもいいです。 pic.twitter.com/644uDuXxMj
— かつて敗れていったツンデレ系サブヒロイン (@wak) 2018年9月14日
戦前である1933年には日本で初めて電気風呂を導入し、「特殊船岡温泉」として認められ、戦後1947年には本格的に銭湯の営業を営むようになったそうです。
登録有形文化財の威厳とは一変して、銭湯の浴槽には現代的な機能が付いており、露天風呂・薬風呂、檜風呂、浅風呂、深風呂、ジェットバス、そしてサウナなどを楽しむことができます。
また、船岡温泉の近くには金閣寺・北野天満宮。下鴨神社、上賀茂神社、京都御所など観光地が多いため、観光帰りに気軽に立ち寄ることが可能です。
さらに、船岡温泉にはゲストハウスも併設されており、そちらに宿泊した場合には1日1回、無料で温泉に浸かることができます。
旅行中、その土地でしか出会うことのできない銭湯を、心ゆくまで堪能したい方は是非船岡温泉を旅程に含めてみてくださいね。
<長者湯>
水風呂といえば京都❣️上京区【長者湯】は創業101年😳
柳行李を脱衣箱に入れて、ぬるめの酵素風呂・熱めのお湯・地下水キンキンの水風呂の無限ループで極楽気分でございます😊 湯上がりは風情あるお庭を眺めながらぼんやり。なんて居心地のいいお風呂屋さんなのでしょう。
15:10~24:00 火休 pic.twitter.com/eQydDFlciM— 水風呂たまらん😱 (@mizuburotamaran) 2018年7月31日
京都のレトロな銭湯である「長者湯」は船岡温泉よりも歴史が古く、大正6年に創業した銭湯です。
今でも井戸水を利用し、薪で湯を沸かしていると知ったら多くの方は驚くことでしょう。
昔から京都は地下水が豊富な土地であり、長者湯の井戸水はやさしくまったりとした肌触りが特徴です。
今も銭湯は様々な場所で営まれていますが、地下水を薪で焚く銭湯は非常に珍しいものです。
銭湯好き・銭湯通には価値のある温泉ですね。
浴室は、京都の町屋に特徴的な「うなぎの寝床」(間口が狭く、奥まった造りの建物)と呼ばれる造りが特徴的です。
浴室上部も見どころで、タイル絵の金閣寺が京都らしさを演出しています。
昨日は千葉県銭湯大使の後藤さん@Sento_Chiba_ambと長者湯@choujayu で待ち合わせ。いやー、いつもながらにご主人のサービス精神満点のもてなしに感謝です。脱衣場で話を聞いて、釜場から床下の井戸までフルコース。久しぶりの長者湯の風呂も、やっぱりいいと思わせてくれました。15時10分~24時、火休 pic.twitter.com/vMfoyV2X0V
— 林 宏樹 (@kyoto_sentolove) 2018年2月13日
お風呂の種類は全部で4種類あり、「超音波風呂」「酵素風呂」「水風呂」「薬湯」を交互に楽しむことができます。
長者湯も西陣にある温泉なので、西陣界隈の観光を楽しんだ後にはそのままこの銭湯に立ち寄ってみるのも良いでしょう。
<京都文化博物館>
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レトロな建築の雰囲気を楽しむのであれば、京都文化博物館は最も外せない場所の1つとして5本指に入ることでしょう。
この博物館は1903年から建設作業が開始され、1906年に完成しました。
当時は日本銀行の京都支店として利用されていましたが、現在は京都文化博物館の別館として保存されているのです。
その外観を見て、東京駅に似ていると感じる方も多いのではないでしょうか。
この建物、実は東京駅を設計した″明治建築界の帝王″、辰野金吾の手によるものです。
彼が手がけたこの建築の見どころは、カウンター下や階段室などに利用されている「大理石」や、内側にのみ取っ手が付いており、外から開けることができない「鉄戸」、ドーマー窓と呼ばれる窓からの光により、電灯のような明るさを持つ「営業室」です。
建築の所々に小さな見どころが散らばっているので、ゆっくりとその1つ1つを自分の目で追って行きながら見学してみましょう。
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【まとめ】
昭和・大正・明治のレトロが好きな女性には、旅行先のレトロスポットめぐりは魅力的なものです。
京都旅行となると神社・仏閣を巡る旅行が定番ですが、少し趣向を変えてレトロな場所を片っ端から巡ることで、京都という町の別の顔を垣間見ることができます。
次に京都へ行く時には、少し別の角度から街を眺めてみれば、記憶に詳細に残る旅となるでしょう。
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