日本の歴史を深く知りたいなら、沖縄を観光してみましょう。
大河ドラマや歴史小説には、日本本土の歴史が描かれています。
でも、日本の歴史はそれだけではありません。
沖縄の歴史を知ることで、また異なる角度から日本の歴史が形成されたことが分かるのです。
そこで、今回は歴女向けに、沖縄女子旅でおすすめの観光スポットをご紹介しますね。
目次
歴女向けの沖縄女子旅!おすすめ観光スポットはどこ?
沖縄の歴史は、日本本土の歴史とは一味違った面白さがあります。
というのも、中国や東南アジアとの交流が活発に行われていたため、日本の他の地域とは異なる特殊な文化が形作られていたからです。
また、沖縄は第二次世界大戦で大きな打撃を受けた戦地でもあります。
歴史の重みを感じられる沖縄では、どのような観光スポットがおすすめなのでしょうか。
今回は、歴史を探訪できる沖縄のおすすめ観光スポットをご紹介しますね。
・平和祈念公園(糸満市)
第二次世界大戦中、日本で唯一地上戦が繰り広げられたのが、沖縄の地。
沖縄各地には、現在も戦争の爪痕が多く遺されています。
1つ1つの場所を巡ると数限りないほどです。
戦時中の様子をじっくりと見るのであれば、糸満市の平和祈念公園を訪れてみましょう。
平和祈念公園は、沖縄本島南部の「沖縄戦終焉の地」である糸満市の丘陵を望む場所にあります。
この公園は、世界の恒久平和を発信する場所として設置されたもの。
館内には、沖縄戦の生々しい写真や遺物、実際に使用された砲弾や、戦時中の映像が展示されています。
また、公園内には平和祈念像、そして摩文仁の丘の上には、国立戦没者墓苑や慰霊塔が建立されています。
沖縄平和祈念像:沖縄戦終焉の地・糸満市摩文仁所在。沖縄出身の芸術家・山田真山が18年余の歳月をかけて制作した。宗教・人種・思想を越えて全ての人が戦没者の慰霊と平和の一点に力を合わせていく決意を10本の指を合わせた合掌の形に表現する。 pic.twitter.com/ylVe4uIJTO
— 仏像紹介BOT (@butsuzobot) 2018年9月22日
さらに、平和祈念公園では常設展示のみならず、毎年慰霊式典や恒久平和を祈るイベントが行われています。
元旦には海を臨む公園内の初日の出を拝めるスポット「平和の広場」で、エイサー演舞や鍋などが振る舞われます。
また、5月のゴールデンウィーク中には「平和祈念こいのぼりまつり」が開催されます。
2018年4月27日平和祈念公園
こいのぼりまつり
巨大昇り鯉の瞬間を目撃
🔻財団YouTubeでどうぞhttps://t.co/7GyItWE3Zv pic.twitter.com/OV0kd5XGnR— 沖縄県平和祈念財団(公益財団法人) (@PeacePrayerF001) 2018年4月27日
このお祭りでは、こいのぼりの掲揚式当日に、平和祈念資料館や平和祈念堂の無料入場チケットが配布され、さらに戦後や戦中に食されていたすいとんやふかし芋などの試食会も開かれます。
6月には戦没者追悼式、旧盆であるウークイの日には奉納エイサーなどが行われます。
沖縄旅行では、このような平和を願うイベントにも参加してみるのも、歴史と現在、未来を考えるきっかけになりますよ。
・識名園(しきなえん)
歴史と庭園の両方を好む人にとって、まるで極楽のような観光場所があります。
それは、首里の町近く、那覇市内に位置する王家の別邸・識名園です。
第二次世界大戦前に国指定の名勝に指定されましたが、遺憾ながら戦時中に破壊されてしまいました。
しかし、その後20年の歳月をかけた再建を経て、2000年には世界遺産として登録され、国指定の特別名勝にもなっています。
識名園は、沖縄にある王家の別邸の中でも最大級。
中国からの冊封使を歓待した場所でもあります。
明治時代にこの地を訪れた外国人教師に「識名園は宝石をちりばめた箱庭だ」と言わしめるほどの独特の美しさが特徴的です。
園内一番の見どころは回遊式庭園です。
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識名園の庭園は日本庭園の様式を取り入れながらも、中国を意識した融合文化の賜物とも言えるほどです。
特に、園内の石橋は見どころの1つ。
この石橋の様式は、中国河南省で見られる小運河(クリーク)にかかる石橋を参考にしています。
この石橋は民芸運動で活躍した柳宗悦(やなぎむねよし)が気に入っていた石橋でもあるのですね。
また、石橋近くの六角堂も中国を意識した東屋です。
識名園の六角堂。 pic.twitter.com/EY0jetnYuD
— おきなわ観光マニア (@uchina_a) 2017年3月4日
日本でありながら、日本ではない、どこか独特の雰囲気を持った識名園の魅力は、東南アジア・中国・朝鮮を繋いでいた沖縄の歴史がバックグラウンドにあるのですね。
・公事清明祭(クージヌシーミー)
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歴女であれば、昔から現在まで行われている行事にも触れてみたいですよね。
4月初旬に沖縄に訪れる予定があるならば、ぜひとも見物をおすすめしたい行事があります。
それは、公事清明祭です。
そもそも、清明祭とは18世紀に中国から伝わった習慣。
この習慣は、太陰暦の清明の節に実施される先祖のお墓参りなのですね。
清明祭は沖縄県の各地で行われていますが、伊是名島の清明祭がその年で最初に行われるものです。
この行事ではご先祖様の前にたくさんのお供え物をして、祈りを捧げるのがメインの儀式となっています。
王朝時代から伝わるしきたりに沿って儀式がすすめられますが、その中でも見どころなのが料理とその器です。
伊是名島の清明祭では、豚の頭・丸裸の鶏肉・生魚などが専用の台に配置されます。
実は、伊是名島の清明祭で見られるお供え物は、他の清明祭のお供え物とは違っています。
一般的には、こぼうやかまぼこ、こんにゃく、揚げ豆腐、三枚肉などが備えられるのですね。
公事清明祭(クージヌシーミー) https://t.co/MkCzZJCmPu pic.twitter.com/PBWrVXz2Bs
— 沖縄の風景 (@coralway39) 2018年4月11日
また、この島で行われる清明祭では琉球王朝の王族である尚家の紋章が入った琉球漆器が使われています。
実は、この漆器は本物の尚家の漆器です。
普段は博物館に所蔵されている文化財ですが、この行事の際に実際に使われるのですね。
文化財が実際に使われるのは非常に珍しいので、その点でもぜひよく見ておきたい行事ですね。
・中村家住宅
沖縄旅行で歴史的な建築物を巡ろうとすると、つい王家に関連する場所ばかりになってしまいますよね。
でも、沖縄の歴史を作ってきたのは王家の人々だけではありません。
沖縄の歴史に生きた人の生活を見たい。
こんな希望を持っているならば、沖縄本島中部の中村家住宅に足を運んでみましょう。
この住宅は第二次世界大戦前の上層農家の家です。
国の重要文化財として指定されており、当時の上層農家の生活を垣間見ることができます。
300年前の琉球王朝時代に建築され、奇跡的に戦禍を免れたこの住宅は、室町時代の日本建築と中国建築が融合した文化財として大切に残されているのですね。
家の中には、当時の生活がありありと思い浮かぶような生活品や焼き物、織物、そして琉球人形などの調度品が展示されています。
昔の豊かな農民がどのような暮らしぶりだったか知る機会は、一般的な観光地を巡っていては得られません。
また、中村家住宅を訪れたらおみやげ店もお楽しみです。
ここでは、お茶と黒糖ゼリーのサービスが評判を集めています。
【初めての沖縄旅レポート】
中村家住宅の入場料には、黒糖ゼリーとお茶代が含まれていました。 pic.twitter.com/S3UHs4FY8o— たきぽん☆百鬼夜行へ行こう! (@takipon1) 2015年10月10日
とくに、黒糖ゼリーは中村家のおすすめ品なのですね。
黒糖ゼリーのレシピが無料で配布されているので、ここで黒糖を買って作ってみたくなりますね。
他にも、沖縄の伝統工芸品が多く販売されているのが特徴的です。
さとうきびで染めた工芸品や首里織、読谷山花織など種類豊富に揃っています。
また沖縄の歴史・文化を扱った書籍や音楽のコーナーも設置されています。
レトロな琉球切手は、沖縄ならではのおみやげになりますよ。
歴史観光を兼ね、ちょっとワクワクするようなお土産を手に入れるのなら、中村家住宅を訪れてみましょう。
・玉陵(たまうどぅん)
ゆいれーる首里駅から歩いて15分、首里城の近くに位置する玉陵は、琉球王国の歴史を知るには訪れておきたい場所です。
首里城の華やかさとは反対に、廃墟感漂うこの遺跡は、どこか東南アジアの遺跡群や南米の遺跡を思わせる雰囲気。
この遺跡はお城ではないのかな、と思いますよね。
みなさんの推測の通り、玉陵は琉球王朝の尚真王が、父の尚円王の遺骨を改葬するために1501年に築いたものです。
なるほど、華やかさに欠ける理由も分かります。
玉陵の墓室は、中室・東室・西室の3つに分かれています。
中室は遺骸を安置しておく部屋、東室は王と王妃が葬られた場所、西室は玉陵碑に記された家族が埋葬された場所です。
玉陵碑とは、玉陵に葬られるべき人々を記したものであり、尚真王をはじめとして8人の人々の名が刻まれています。
玉陵は沖縄戦で甚大な被害を受けましたが、3年ほどの修復工事が行われました。
今ある玉陵は、当時の姿を忠実に表したものではありますが、そのまま残されたものではないのですね。
見学にかかる時間は30分から1時間ほど。
近くには首里城があるので、定番の観光地と合わせて、玉陵に足を運んでみるのも良いでしょう。
【まとめ】
琉球王朝の王族が遺したものといえば、首里城が真っ先に思い浮かびますが、その他にも今回ご紹介した玉陵・識名園などの遺産があるのですね。
また、王族の遺産だけでなく富農の住宅や、平和祈念公園など、沖縄全体の歴史を学べる場所がまだまだ多くあります。
歴女であればもちろん、ありきたりの沖縄観光に飽きてしまった方はぜひ、歴史をテーマに旅行してみてくださいね。
最後に、今回の記事に関連して、「沖縄の歴史を知るなら、この場所がおすすめ」などの体験談や口コミがあれば、お気軽にコメントくださいね。
みなさんからのコメントが、多くの方の沖縄旅行をより豊かなものにしてくれますよ。
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