公務員は民間企業とはその仕組み・あり方が違うため、エントリーシートの書き方も異なります。
したがって、公務員として地域に貢献したいという熱意の伝え方にも一工夫必要です。
依然として人気を集めている公務員なので、筋の通ったエントリーシートを書き、無事関門を突破したいものです。
今回はどのような視点を持ち、エントリーシートを書いて行けば良いのかポイントをおさえながら確認して行きましょう。
目次
公務員(市役所)のエントリーシートの書き方と例文は?
役所は倒産することがないため、公務員は安定した職業として多くの方が志望します。
事実、公務員の予備校に通っている方も多いでしょう。
役所のあり方は、特に「利潤を追求しない」という点において、民間企業と異なっているため、エントリーシートでの自分のPRの仕方も変わります。
今回は、公務員(市役所)を目指す方向けに、エントリーシートを書く際に押さえておきたいポイントについてご紹介します。
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<エントリーシートの下準備>
公務員に限った話ではありませんが、エントリーシートを書く際には、第一に情報収集が大切です。
市役所がどのような機能を持つのか、地域とどのように関係しているのか確実に把握しましょう。
・″市民の声″を参照する
エントリーシートでは、自分がどのようにして市役所の業務に取り組んで行きたいか明確にすることが大切です。
その際、市役所は何を最優先に取り組むべきでしょうか。それは、″市民の暮らし″です。
市役所の意義は「市民の暮らしを守る」という点にあります。したがって、良い視点を持ってエントリーシートを書くためには、各市町村の取り組みに対する「市民の声」に目を通す必要があります。
「市民の声」を参照すれば、その役所がどのような分野で課題を抱えているのか明確に把握できるのです。
「市民の声」は通常、各役所のホームページに載せられているので、参照してみてくださいね。
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・公務員の区分、職種ごとの特徴を理解
公務員の業務は非常に多岐に渡るものです。専門の予備校に通っている方であれば、既に職種を把握していることと思います。
それらを一通り見直し、役所がどのように機能しているのか再確認することで、自分が働く時のイメージも浮かびやすくなります。
・市役所の呼び方
市役所の呼び方については注意が必要です。
市役所は企業ではなく役所なので、エントリーシートに表記する場合には「貴所」と書くのが適切です。
つい「貴社」と記入したくなりますが、会社ではないということを思い出して「貴所」を使うように心がけましょう。
<志望動機>
それでは、公務員のエントリーシートに頻出する最重要項目、志望動機を書く際のポイントについて確認して行きましょう。
ポイントは4点あります。以下で1つずつ見てみましょう。
1、なぜ民間企業ではなく、公務員を受けたいのか
公務員の志望理由として、頻繁に挙がるのが「民間企業よりも安定しているから」という理由です。
実に本質を突いている志望理由ですが、このままでは論理的な裏付けがなく説得力に欠けます。
民間企業と公務員の違いは何でしょうか。
それは、完全にお客様(市民)の立場に立って業務に取り組むことができるという点です。
民間企業の場合は″お客様の立場に立ったサービス・商品造り″を掲げていても、ある程度、あるいはそれ以上の利益を生み出す必要があります。
したがって、自分たち企業側の立場・利益を守らなければならないこともあります。
しかし、市役所であればビジネスの分野ではないので、利益といったものを完全に考えずに、純粋に人のために尽くすことが可能です。
ただ、「利益が絡むことなく純粋に人に貢献できる」という理由は、他の多くの志望者も口を揃えて言うことなので、別の回答もプラスして用意しておくと良いでしょう。
別の回答としては、市役所であれば、「街づくりに特化した仕事に取り組むことができる」ということが挙げられるでしょう。
民間企業は商品やサービスを通して街づくりに貢献しますが、直接街自体を改善してゆくわけではなく間接的ですよね。
市役所であれば、直接街の運営に携わることができます。この点を伝えることができれば、民間企業でなく公務員を選んだ理由がしっかりと伝わります。
2、なぜその地域を選んだのか
市役所によって取り組みはかなり異なります。その理由は、地元の土地に特化した取り組みが行われているからです。
したがって志望動機には、「その街のどんな点に惹かれたのか」、そして「その地域に対するどのような取り組みに興味を持ったのか」ということを明示する必要があります。
ポイントは、客観でなく、主観を大事にして書くということです。なぜなら、採用担当側は、あなた自身がその地域をどのように捉え、市役所の取り組みのうち、どの点に興味を持っているのか、知りたいからです。
また、その地域を選んだ理由を示すことができれば、「地域への理解が備わっている人物だ」と採用側の印象にも残ります。
3、柔軟性
民間企業の場合は、「ある特定の部署に入ってこのようなことに取り組みたい」と具体的な計画について示す戦略が有効です。
しかし、公務員の場合は少し異なっています。公務員には非常に沢山の部署があるため、頻繁に異動を経験します。
したがって志望動機では特定の部署への熱意を示すよりも、多種多様な分野を学んでゆくだけの力があることを伝えることが大切です。
ただ、それのみですと、漠然とした回答になりがちなので、少し具体的な話などについても触れましょう。
最初に「公務員のあらゆる業務を通して一層人々が暮らしやすい街をつくりたい」と述べ、「具体的に言えば、○○の業務に取り組むことで、暮らしやすい街づくりの取り組みに貢献したい」と伝えるのが良いでしょう。
要するに、ある程度漠然とした目標を述べて、そこから少し踏み込んだ内容に触れるようにすると柔軟性も残しつつ、明確な目標を立てることのできる人だという印象を与えることができます。
4、市民の生活を支えたい
先ほどは、ある特定の業務ばかりに熱意を示してしまうと逆効果になることをお伝えしました。
しかし、公務員として全力を尽くして行きたいという熱意は是非伝えておきたいのではないでしょうか。
そこで、自分の熱意をどこに向ければ良いかというと、「市民の生活を支えたい」という大きな目標に向けることです。
これならば、採用担当側も「この人は市民の生活向上自体に対する熱意を持っているから、どんな業務を任せても真剣に取り組んでくれるに違いない」と受け取ることができるでしょう。
さらに「市民の生活を支えたい」という思いを伝える際には、自分の体験と絡み合わせながら伝えると、よりあなたの熱意が鮮明に伝わります。
どのようなきっかけで「市民の生活を支えたい」と思うようになったのか、理由を示しましょう。
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<志望動機の例文>
最後に、志望動機を書く際のポイントをおさえた例文をご紹介します。
「私は近年福祉事業に力を入れている貴所において、地域の人々が快適に、安心して暮らせる街づくりに取り組みたいと考えております。
私は、貴所が日本全国の中でも、社会福祉の分野において最も具体的、かつ進んだバリアフリー構想を実現している点に感銘を受けました。
私は学生時代に、障害者施設・介護施設などでのボランティアに取り組んでおりましたが、そのような施設・ケアサービスのみでは限界があり、障害を持つ方や高齢の方にとって暮らしやすい社会は作れないことに気付きました。
街全体をあげて、このような人々が暮らしやすい社会を創造して行けるよう、貴所にて○○市の運営に貢献したいと強く希望しております。」
【まとめ】
公務員の志望動機を書く際には、「地域・市民を支えて行きたい」ということ、「自分の取り組みたいことを伝えながらも、多種多様な業務にも柔軟に対応して行く」ということの2点を盛り込むこと最も大切な要素です。
普段自分がその地域に暮らしていて問題だと思う点だけでなく、自分以外の人(親・友人など)が問題だと感じる部分についても聞いてみると、より地域を多角的に俯瞰することができ、質の良いエントリーシートを作成できますよ。
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