多くの就活生が就職試験で最も手を焼くのが小論文ですよね。
ふだん小論文を書く機会はないのでどう書けばよいのか、そもそも小論文と作文の違いも分かりません。
でも小論文が出題される理由や書き方をおさえれば、本番で説得力のある回答を書けます。
この記事では就職試験の小論文とは何か、そしてその書き方ポイントと例文を確認しましょう。
目次
就職試験の小論文とは?書き方ポイントと例文を紹介!
就職試験で出題される小論文は、多くの学生にとって手ごわい問題です。
じぶんの考えを書くので、何を考えているか企業に見透かされそうですよね。
なぜ企業は就職試験に小論文を出題してくるのでしょうか。
作文と小論文の違いや書き方のポイントも気になるところです。
まずは小論文とはどんなものなのかチェックしましょう。
<就職試験の小論文とは?>
これから就活をむかえる学生にとっては、そもそも就職試験で課される小論文が何なのかまだよく分かりませんよね。
大学の課題でレポートを提出することはあっても、小論文を書く機会はほとんどありません。
そこで就活本番をむかえるにあたり、まずは就職試験の小論文がどんなものか確認しましょう。
就職試験の小論文では、ほとんどの場合企業側から学生にテーマ(お題)が与えられます。
テーマの内容は主に2つ、「時事問題」と「企業の業務」についてです。
だいたいこの2つのうち、どちらかが小論文のテーマとして出題されます。
「時事問題」ではたとえば「業界に及ぼすAIの影響を述べよ」、「日本・中国間の今後の貿易形態の展望について述べよ」など、社会で起こっている変化をテーマにした問題が出題されます。
商社であれば貿易関連の時事ネタというように、特にその企業と関わりの深い時事ネタが扱われる可能性が高いです。
対策としてふだんからニュースや新聞、雑誌に目を通して、じぶんが志望する業界に関係する時事ニュースに注目しましょう。
新聞は切りぬいてノートやファイルにまとめ、スクラップブックを作るのがおすすめです。
一方で「企業の業務」では「企画職で大切なこととは?」「商品の売り上げを伸ばすには何が必要か」といった、業務に直結するテーマが出題されます。
学生の場合、まだ実際の職務を経験していないので、書きにくいですよね。
学生時代のアルバイト体験やサークル活動で得たことをもとに回答を作るのは可能です。
でも志望企業の実際の業務を知らない限り、説得力のある回答は作れません。
そこで小論文の回答を深みのあるものにするためにも、OBOG訪問が欠かせないのです。
時間に余裕があるうちにOBOGを訪ね、具体的な業務内容を聞き出しておきましょう。
志望企業の業務内容を詳しく知っていれば、小論文でもじぶんの考えに対する具体的な根拠を示せます。
つまりより説得力のある回答に仕上がるのです。
おすすめ:OBOG訪問を充実させる質問内容と質問例リストを紹介!
<作文と小論文はどう違うの?>
就職試験では小論文ではなく作文が課される場合もあります。
作文と小論文はどう異なるのか分かりづらいですよね。
作文と小論文の違いを知らないと回答も的外れなものになってしまいます。
簡単に言ってしまえば、作文は与えられたテーマに対する感想やじぶんの気持ち、意気込みを表します。
たとえば「志望理由を教えてください」というテーマに対し、「これをやりたい。このようなきっかけがあって貴社を志望している」という意気込みを分かりやすく説明します。
その一方で小論文では主張とその根拠を表現します。
つまり小論文では学生の意気込みや気持ちではなく、論理力・説得力が見られているのです。
ついユニークな回答・独創的な回答にしようと思ってしまいますが、あくまで重視されるのは「じぶんの考えを論理的に説明する力」なのです。
この違いを意識し、本番で間違えないようにしましょう。
<小論文では何を見られるの?>
そもそも小論文では何が見られるのか、どうして就職試験に小論文が課されるのか。
これを知っていれば面接官の意図を汲み取った上で、的を射た回答ができます。
作文と小論文の違いで確認したように、小論文では論理力と説得力が問われます。
なぜこの力がチェックされるのでしょうか。
それはほとんどの企業において、業務を遂行するには「ものごとを論理的に、分かりやすく人に説明する力」が必要だからです。
営業職であれば他の企業やお客さんにサービスや商品を簡潔に説明する力、企画職であれば社内あるいは社外に向けて新しい企画を説明する力が不可欠です。
社内の会議でも意見を論理的に述べる力が必要とされます。
論理力と説得力を備えた学生は入社後、業務をそつなくこなせるだけでなく、企業全体の業績向上にも貢献できます。
できる限りそのような学生に入社してもらいたいから、就職試験で小論文が課されるのです。
<小論文に字数制限はある? 構成の基本は?>
小論文を書くにあたって字数についても確かめておきましょう。
多くの企業の就職試験で課される小論文は800字程度の字数制限があります。
400字詰めの原稿用紙2枚分です、
多くもなく少なくもない分量なので、書くべきポイントを絞って論理的に記述する必要があります。
そのためにも意識したいのが構成です。
小論文は「序論」「本論」「結論」の3構成で成り立ちます。
それぞれの構成で書く内容は次の通りです。
・「序論」…お題に対するじぶんの主張
たとえば「営業で大切なことは何か」というお題があるとします。
序論ではそのテーマに対し「営業で必要不可欠なのは〇〇です」というじぶんの考えを明示します。
序論は100∼200字程度におさめると、構成全体のバランスがよくなります。
・「本論」…序論で主張したじぶんの考えの根拠
本論はそのテーマに対するじぶんの考えの根拠を示す項目です。
なぜそう考えるのか、理由づけすることで説得力のある小論文に仕上がります。
本論は400∼500字程度が理想です。
・「結論」…「序論」、「本論」で述べた主張と根拠を分かりやすくまとめる
結論はじぶんの主張とその根拠を簡潔にまとめる項目です。
小論文全体の略図の役割を担うといってよいでしょう。
まとめの部分なので余計な付け足しのないよう、注意しましょう。
字数は100∼200字におさえましょう。
「です・ます」「だ・である」の両方が混ざると大変読みにくい文章になってしまいます。
文体は統一さえしていれば「です・ます」でも、「だ・である」でも問題ありません。
丁寧な印象を与えたいときは「です・ます」、筋の通った印象を与えたいときは「だ・である」を使いましょう。
受ける企業の雰囲気に合わせて文体を統一するとベストです。
<小論文の例文をチェック!>
一通り小論文の基本をおさえたところで、最後に例文をチェックしてみましょう。
「(食品会社の)企画職で必要な力は?」というテーマで800字以内の小論文が出されたとします。
回答は次のようになります。
「企画職で必要な力は、「時代の流れを読む力」「独創性」、そして「人に寄り添う心」の3つです。
このうち1つでも欠けてしまえば、お客様に興味を持ってもらうことも、商品のファンになってもらうことも望めません。
「時代の流れを読む力」「独創性」「人に寄り添う心」の3つがなぜ必要なのか、1つずつその理由を考えてみます。
「時代の流れを読む力」はどの業界においても必要な力ですが、とくに食品業界では重視すべきものです。
なぜなら食品は人々の毎日の生活に欠かせないものであり、その上人々の食生活は時代が進むにつれて変わるものだからです。
今どんな商品が必要とされているのか知るために、企画職の社員は若者の間で流行っているものや最新の健康情報にアンテナを張る必要があります。
また「独創性」は言うまでもなく、今までにない商品を生み出すために欠かせない力です。
既に存在する商品と似たものを作り出しても、お客様の注目は集められません。
もちろん既存の商品を改善したものが注目されることもあります。
しかし新しい時代のニーズに応えるには、今までにない商品を生み出さなければなりません。
そのためにも、企画職の社員自身が食に興味をもち、どんなアイテムを生み出せば食の文化に新たな風を吹き込めるのか研究することが問われています。
3つ目の「人に寄り添う心」は、お客様のニーズに応えるために必要なだけでなく、何度もリピートして商品を利用していただくためにも欠かせない要素です。
いくら時代に合っていて、かつ独創性のある商品でも、お客様の要望に応えられていない商品は人が離れてしまいます。
商品の使いやすさやお客様のライフスタイルに合う商品を開発すれば、信頼を得られます。
このような理由から、お客様がファンになる商品を企画するには「時代の流れを読む力」「独創性」「人に寄り沿う力」の3つが必要だと考えます。(780文字)」
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【まとめ】
小論文の試験では「じぶんの考えを論理的に説明する力」が問われることが分かりました。
就職試験本番でうまく小論文が書ければ、入社後も業務をスムーズに進められる人物だという印象を持ってもらえます。
「序論」「本論」「結論」の順に、主張とその根拠づけを心がけてみてくださいね。
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