最も受験者の多い大学受験模試を作成する河合塾。
質の高い模試を作るほどの分析力と、受験指導の蓄積を誇る河合塾のテキストや授業内容は、他の予備校をはるかに凌ぐものです。
今までご紹介した予備校の中では、あらゆる点で最も標準的な予備校なので、多くの受験生が入りやすい予備校でもあります。
今回は良質な教材・授業を提供する河合塾について減益と労インコースの評判や特徴など詳しく確認して行きましょう。
目次
河合塾の現役と浪人生コースの評判や特徴は?東大・京大・早慶向け!
河合塾は1933年に「すべては、一人ひとりの生徒のために」というモットーを掲げて、英文学者である河合逸治により創設された塾です。
およそ85年の歴史を持つ河合塾には、長年蓄積された受験指導の知識があり、その豊かな指導経験は良質な教材・模試に表れています。
河合塾の他にも、駿台予備校・代々木ゼミナールなどの大手予備校がありますよね。しかし、同じ大手予備校であってもその特色は全く異なるのです。
したがって、大手を検討している方や大手の予備校にも興味がある方は、各予備校の特色を知り、その中で自分に合う予備校を選ぶ必要があります。
今回は予備校選びの参考となるように、河合塾に焦点をあててご紹介します。
<河合塾の最大の特徴>
河合塾の最大の特徴は「他の予備校を凌ぐ良質なテキスト・模試と、優秀な講師が揃う、スタンダードな予備校」です。
非常にユニークな特徴がある予備校ではありませんが、受験勉強を行う上で必要な情報・良質な授業を提供している予備校です。
特にテキストや模試の質は素晴らしく、この点においてはどの予備校よりも勝っています。(テキストや模試については後ほどご紹介しますね。)
このテキストと模試をしっかりと復習すれば、最難関校の試験にも自信を持って対応することができます。
河合塾は特に面倒見の良い塾ではありませんが、「ある程度は自分のペースで勉強し、予備校を上手く使いたい」という方には非常に有効な塾です。私も受験生時代は、ある程度自分で勉強を進めたかったので、塾では必要な分だけ補い、講師に質問のできる環境が用意されていた点では非常に助かりました。
ある程度自分のペースで勉強したい方にとっては、河合模試やテキストが非常に良い自習材料となります。
自分のペースで勉強したい東大・京大・早慶志望の方にとっては河合塾が最適でしょう。
<こんな方におすすめ>
河合塾の特徴は「最難関大学に合格する力を養う質の良い教材・模試と優秀な講師」です。しかし、サポート体制は他の予備校と比べてやや手薄です。
この点は、人によって利点にも難点にもなります。河合塾が性に合う可能性が高い方は以下のような方でしょう。
・独学とまでは行かないけれど、塾を上手く利用しながらも、自分のペースで勉強したい
・予備校漬けにならず、適宜良質な情報を得るために利用したい
・質の良い教材で勉強したい
河合塾は、比較的独学が好きで、教材を重視している方におすすめの予備校だといえるでしょう。
サポート体制は手薄だとお伝えしましたが、受講生1人1人にチューターが必ず付き、勉強計画や悩み事・相談に応じていただけます。
自分の行動次第で最大限に利用できる予備校なのです。
したがって、ある程度他の予備校に通い、自力で勉強する習慣が付いた方に適しています。
私も、最初は0から勉強を教えてくれる塾に通った後に、最後に河合塾に入りました。
<現役コースと高卒コース>
☆高校グリーンコース(現役生)
・一人一人にチューターが付く
河合塾では、学習計画や受験計画の相談、進路指導などが相談できるように、受講生1人1人に担当チューターが付きます。
夏休み前、受験前には各自で自分の学習計画・受験計画を立て、チューターに確認してもらうことができます。
私も勉強計画に関しては担当チューターの方から客観的にアドバイスをいただき、それを踏まえて計画を詰めていきました。
また、模試の結果が出た後には、苦手な科目についても助言をいただき、どのような勉強を行なえば良いか、どのような講座を取れば良いか明確にした上で勉強を進められました。
そのため、勉強計画に関する不安も払拭できました。
保護者との3者面談も行うことができるので、親御さんも安心して任せることのできる予備校です。
・講座
河合塾の講座は、一人一人に合ったプログラムを組めるように、志望校別・レベル別・分野別の講座が用意されています。
例えば、英語は東大・京大・早慶大・医学部・明治青山立教大英語など、国語は東大国語・早稲田国語など、志望校別に細分化された授業が提供されるので、自分の目的に沿った授業を選べるのです。
各自の成績に応じたクラスを選ぶので、地に足のついた勉強で自分の力を伸ばすことができます。
また、国語の場合は現代文と古文の講座が別個に分かれているので、「現代文は得意なので、古文だけ受講したい」と考えている方にはぴったりのカリキュラムです。
・個別指導
教室で講座を受けるのでなく、1対1で個別の指導を受けたい方には、個別指導講座が準備されています。
個別指導の場合は、現役大学生が講師となり受講生の指導にあたります。
私も河合塾で個別指導を行っていました。「大学生だから講師ほど受験に熟知していないのではないか」と心配な方も多いでしょう。
しかし、私が見た限りでは、大学生講師は皆、受講生に適切な指導を行なえるよう入念に準備した上で授業を行っています。
また、個別指導の講師は、東大・早慶在籍者の割合が高いです。
個別指導の講師になる際も、チューターからの推薦、あるいは学力試験の基準を満たす必要があるため、安心して任せることのできる講師ばかりです。
☆高卒生
・PASSカリキュラム
河合塾では、知識と演習の相乗効果を生み出す「PASSカリキュラム」を実施しています。
Lecture講座では基礎的な学力をつけ、Master講座では演習を徹底し、得点力を付けます。
この2つの講座に加え、自分の志望校に特化したカリキュラムであるSelect講座、特別講義を組んでいくのです。
・チューターが付き、講師と連携してサポート
高卒生向けの「PASSカリキュラム」に入ると、1人1人の志望に沿ったクラスに入ります。
そのクラスごとに担当チューターが付き、学習面・精神面で細やかな指導を受けることができます。
浪人生は1日のほとんどが受験勉強にあてられるので、様々なことで不安になるでしょう。
些細なことであっても、普段からチューターと相談しておくことで安心して受験勉強を進めることができますよ。
・最難関大学受験に特化したプログラム
浪人生向けの講座は、東大・京大・医学部志望者に特化したカリキュラムが充実しています。
このような大学を受験する際には、試験における論述力、面接における対話力(特に医学部)が必要です。
論述の添削においては、講師と採点者が会議を開き、受講生の答案を厳密に審査した上で添削を行うので、密度の高いアドバイスをいただくことが可能です。
また、医学部入試で課される面接については、全国の河合塾OB・OGから伝えられた面接のデータを基に模擬面接を行うので、より本番に近い面接練習を行うことが可能です。
<河合塾の他の特徴>
河合塾は「模試」「テキスト」「授業時間」「講師」が特徴的です。
河合塾は全体的に非常にバランスの取れた予備校であるのです。
その中でも特に、「模試」「テキスト」は他の予備校のものをはるかに超える良質なものです。
それでは、1つずつその特徴を見て行きましょう。
・講師
河合塾は良い授業を行う講師が比較的多いと言えます。
全体的に講師の教え方は優れています。
ごくまれに、分かりにくい授業を行う先生いらっしゃいますが、特に当たりはずれが激しいとは言えません。
また、私が河合に通っていた頃に受けた先生に共通することは、「解き方のテクニックだけでなく、問題として扱われているテーマの背景や概念についてしっかりと説明してくれる」ということでした。
特に、英語や世界史、日本史、国語であればテーマについての背景知識があると一層問題が解きやすくなります。
・テキストはかなり良質
河合塾のテキストは非常に良質です。
河合塾のテキストで扱われた問題が、本番の入試でも出題されることは頻繁に起こります。
私も受験本番で、河合塾のテキストに出ていた問題に出会い、驚愕したのを覚えています。
河合塾のテキストは、何年もの間、各大学の入試問題とその傾向について研究してきた講師陣が最新の入試問題を含めながら入念に作り上げたものなので、他の予備校よりも群を抜いて良質だと言えます。
また、授業前に問題を解き、授業後には復習問題を解くような作りのテキストなので、自分でしっかりと勉強できる方には効果的な学習が行えるのです。
このテキストを何度も復習すれば、力も驚くほど伸びますよ。
・授業時間
河合塾の授業時間はほとんどの講座で90分と決められています。
なぜ90分なのかというと大学の入学試験時間は多くの場合、90分であるからです(ちなみに大学の授業も通常90分です)。
90分間の授業に慣れておくことで、試験本番でも集中して問題に取り掛かることができます。
また90分であれば、講師が単に解説を行うだけでなく、基本知識の提供や授業で扱うテーマの背景についてまんべんなく紹介でき、受講生側も満足できる講義を受講できるのです。
・良質な模試
大学受験で有名な模試は「駿台模試」「河合模試(全統模試)」「進研模試」「代ゼミ模試」です。
それぞれの模試には特徴がありますが、この中で全国の受験者数が最も多く、一番スタンダードな問題を出題する模試は「河合模試」です。
河合模試は様々なレベルの浪人生・現役生が受験する模試であり、問題の難易度も一番標準的です。
したがって全受験生におすすめの模試と言えるでしょう。
また、模試受験後に配られる解答・解説はどこの予備校の模試よりも質の高い解説が載っています。
1を知って10を知るといいますが、この解説を読めば1つの問題から10を知ることができるほど内容の濃いものとなっています。
私も河合模試を何度も復習した結果、一層理解が深まり、なぜ答えがそうなるのが考える思考力が身に付きました。
河合模試は塾内の受講生に限らず、一般向けに公開されている模試ですが、河合塾の内部生であれば、チューターの方や講師に相談・質問ができるので、より模試を有効活用することができるのです。
・校舎が多い
河合塾の校舎は全国に200校舎以上あるので、どの地域に住んでいても通うことが可能です。
また、振替の時などは他校での授業が受講しやすいという面でも非常に便利です。
<難点>
・授業中、講師との距離が遠い
大手予備校に特徴的な難点ですが、やはり河合塾にも当てはまります。
1クラス100人を超える授業は珍しくないので、講師が全ての受講生に対応しながら授業を進めることは不可能です。
ただ、このような大教室でも、自分で工夫すれば講師との距離を近くできます。
コツは、前の方の席(できれば一番前の席)に座ることです。
私も河合塾では一番前の席に座っていたのですが、毎回前に座っていると先生も気にかけてくれます。
また、先生の問いかけに答えやすいので、前の席に座れば、たとえ大教室であっても効果的・刺激的な授業を受けることができます。
また、前の席に座って先生に顔を覚えてもらえれば、授業後にも質問しに行きやすくなります。
このようにすれば、大手予備校の大教室でも講師のサポートを十分に受けることができるのです。
受け身の授業になるかならないかは、ある程度までは自分の意識次第だと言えるでしょう。
・サポートが薄い
河合塾の難点はサポート体制が充実していないという点です。
受講生1人1人にチューターが付くくらいで、他に特にサポートを行うことはありません。
したがって、ある程度自分の勉強方法が確立しており、自分の計画に沿った学習を行いたい方とっては最良の予備校ですが、勉強のやり方からしっかりと自分の身に付けたい方には不安な予備校であるという見方もできます。
大手予備校であれば駿台が手厚いサポート体制を提供しています。
駿台予備校については「駿台予備校の現役と浪人コースの授業特徴!現役フロンティアとは?」をご覧ください。
【まとめ】
今回は大手予備校である河合塾をご紹介しました。
サポートはあっさりとした予備校ですが、授業で扱うテキストや河合模試は実際の入試問題にも出題されるほど精度の高いものです。
東大・京大・早慶を目指していて、自分のペースで予備校を利用したい方には非常におすすめです。
あらゆる点でバランスの取れた予備校なので、ある程度他の塾で勉強を積んだ方にとっては、通いやすい予備校でしょう。
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