英語が配点の半分近くを占める大学といえば、慶應義塾大学です。
各学部ユニークな特色を持った英語長文を読みこなすためには、基礎を固め、ジャンルを問わず様々な文章に触れてることが大切です。
それでは実際に、どのような英語長文対策を行なえば良いのでしょう。
今回は、慶應のどの学部を受験するにしても、非常に大きく実力を育んでくれる英語長文対策法についてご紹介します。
目次
慶應合格は英語長文で決まる!長文読解対策法とは?
慶應英語の一番の特徴は「超長文」と呼ばれる類の英語長文です。慶應では1題1500語の長文が試験に出題されます。
また、慶應の場合、配点は英語が一番高くなっているので、問題の中心を占める長文問題の対策が合格を決めるカギとなります。
そこで、今回は慶應義塾大学を目指す方に向けて、英語長文の勉強法についてご紹介します。
まずは、慶應英語に必要な力について、おさえて行きましょう。
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<慶應英語に必要な力>
それでは、毎年超長文を課す慶應義塾大学の英語長文にはどのような力が必要なのでしょうか。
慶應の英語長文を解く上で大切な力は次の3つです。
・精読力:1文1文の文章の意味を正確に読み取る力
・速読力:長文の内容を素早くとらえる力
・要約力:その文章のキーワードと主旨を捉え、まとめる力
この3つの力をバランス良く養成することが慶應合格への近道といっても過言ではありません。
これらの力が互いに作用し合うことで、時間内に超長文を読み問題を解ききることができるのです。
それでは、この3つの力を伸ばしてゆくためには、具体的に何をすれば良いのでしょうか。
1つ1つの力を伸ばすための対策について確認しましょう。
<3つの力を伸ばす方法>
「精読力」「速読力」「要約力」のうち、まずは文章を読解の基礎である「精読力」の伸ばし方から見てみましょう。
① 精読力
精読力は先ほどご紹介したように、「1文1文の文章の意味を正確に読み取る力」です。
したがって、正しい文法力を身に付けることと英文和訳の訓練を行うことが必要です。
正しい文法力を身に付けるということは、「英語の基礎」を固めることですよね。
まずは、英文法の参考書を1冊、何度も何度も繰り返し解きましょう。
一番のおすすめは「Next Stage 」(桐原書店)です。すべての英文法・語法についての詳しい解説と、確実に力のつく問題が収録されています。
解説を熟読し、問題を繰り返してゆくことでほとんどの文法問題は正解できるようになるほど、質の高い基礎固めができます。
英文和訳については、「英文標準問題精講 」(旺文社)がおすすめです。
こちらの問題集には100~150語ほどの短い英文が200題以上収録されています。
語数は少ないですが、1つの文章が非常に抽象的で、深い読解力が必要とされる問題ばかりです。
これらの英文を和訳する訓練を積むことで、実際の入試でテーマの抽象的な超長文が出題されても落ち着いて構えることができます。
基礎文法参考書と精読用の問題集で精読力をつけてみてください。
② 速読力
超長文に取り組む上で避けられないのが速読です。
膨大な数の語数を制限時間内に読み終えるためには、文章を正確に・早く読み取る力が不可欠です。
でも、文章を読むのが遅い方にとって速読力はすぐに身につけられるものではありませんよね。
私も文章を読むのが遅かったので、速読には苦労しました。
ただ、速読力を上げるのに非常に効果的な方法があります。それは「音読」です。
一度読み終えた英語長文を最初から最後まで音読してみましょう。
声に出して英語を読むことで、日本語の語順ではなく、英語の語順で内容が頭に流れ込んでくるので、「英語脳」が作り上げられます。
頭の中で英語を日本語に置き換えるのではなく、英語を英語のまま理解できるようになれば、文章を読むスピードも速くなりますよね。
そのためには、音読を行ない、普通に話すスピードで英語を理解する訓練が一番の方法なのです。
また、音読以外に、英語のCDを聴くのも効果的です。
英語の音声を聞き流すことも、英語を語順のまま理解する練習になります。
CD付の長文読解参考書としては、特に「キムタツの私立大学英語リーディング超難関大学編 」がおすすめです。
早慶志望者向けの長文演習を行うには最適の1冊です。
解説が詳しいので、英語長文を徹底的に勉強したい方には良い参考書となるでしょう。
読み終わった文章はCDを聴いて、シャドーイングをしたり、文章を自分で音読したりましょう。
音読はやればやるほど良い効果をもたらします。同じ文章も何度も音読しましょう。
私が受験生の頃先生に教わったことですが、1つの文章につき20回音読すると、速読力は飛躍的に伸びるそうです。
音読するたびに「正」の字を文章の横に書き込んで回数を数えていくのがおすすめです。
③ 要約力
慶應の超長文は要約力を問う問題が満載です。部分のみの理解では太刀打ちできないため、全体の主旨をつかむ必要があるのです。
要約力をつける練習としておすすめなのが、1段落ごとに小見出しをつけることです。
普段、問題演習や過去問演習などで長文を読む際には、1段落読み終わるごとに一言、その段落に小見出しを付けてみてください。
「小見出しを付けるとしたら、どんな小見出しが一番適切だろうか」と考えることで、その段落の言おうとしていることを把握する力がつきます。
一通り1つ1つの段落に小見出しをつけ、文章全体を読み終えたら、今まで付けた小見出しを見返してください。
その長文の話の流れが一目見て分かります。
小見出しによって話の流れが分かれば、全体的にその長文が何を言おうとしているのが見えてきます。
このように、段落ごとの小見出しをつけるという方法を続けることで、次第に全体の要旨を掴めるようになります。
必ずしも最初から文章全体の要旨を把握する必要はありません。
まずは簡単にできる「段落の小見出し作り」から始めましょう。
また、小見出しをつけることと並行して、文章を読み進めながら、キーワードだと思う単語を丸で囲むようにしましょう。
キーワードとは、その文章の中で何度も繰り返し出て来る言葉のことです。
文章全体を読み終わり、キーワードと小見出しを見返せば、正確にその文章の要旨を把握することができますよ。
<1ランク上の英語長文対策を行ないたい方へ>
慶應は学部によってそれぞれの出題傾向があり、それに特化した勉強が大切です。
しかし、受験学部の長文のみならず、様々なテーマの超長文を読みこなしてゆくことも大切です。
そうすることで、たとえ志望学部の入試で不意を突くような意外な問題に出会っても、柔軟に対応することができます。
さらに、他大学を受験する際にも、どのようなテーマの長文が課されようと、臆することなく取り組めるからです。
それでは、具体的にどのような長文に触れて行けば良いかご紹介します。
慶應志望の方が解くと良い良問は、①国立大学の過去問②慶應義塾大学SFCをはじめとした超長文です。つまり、国立大学・慶應の他学部の「過去問」を解くということです。
もちろん、問題集を購入してそれを解くのも良いですが、国立大学や慶應他学部の過去問は非常に質が高いので、慶應の英語長文対策にはそれらの過去問が最善の練習材料となるのです。
それでは、具体的に国立英語・慶應SFCをはじめとする他学部の過去問を解くことでどのような効果が得られるのか、ご説明しますね。
① 国立英語
国立英語の中でも、慶應を目指す方に特におすすめなのは、一橋大学・名古屋大学の過去問です。
一橋大学の英語長文は文法・表現などはそれほど難しいものではありません。
しかし、問題で問われる部分が非常に抽象的なので、文章全体を深く理解していないと解けません。
このような問題は文章全体の要旨を掴みとる「要約力」を試す良問なので、試験で文章の主旨が問われる慶應英語の最善の対策となるのです。
また、一橋の場合は記述形式で答えなければならないという点もポイントです。
真の読解力を付けたいのであれば、選択肢の問題よりも、自分で0から答えを作り出さなければならない記述問題が一番の実力の付く練習となるからです。
一方で名古屋大学の英語長文は非常に読みやすく難易度・問題形式・テーマは標準的です。
一橋は要約力・読解力を試す良問ですが、少しクセのある問題なので、最初は名古屋大学の英語長文に手を付けるのが良いでしょう。
名古屋大学も記述問題がありますが、全体の要約力というよりも部分の理解が出来ているかが問われます。
つまり英語の「基礎力」を試す良問が多いのです。
文法事項を確実におさえられているか、1文1文の意味とそれらの脈絡を正確に捉えることができるか、といったことを確認できるのです。
これら2つの国立大学の過去問にも手をつければ、慶應の超長文対策は万全です。
基礎力を養える名古屋大学の英語長文、要約力・読解力を養える一橋の問題の相乗効果は計り知れないものです。
特に慶應の文学部はクセのある問題が多いので、一橋の問題を解くことは、本当に良い練習になりますよ。
余力のある方は「灘高キムタツの国立大学英語リーディング超難関大学編 」(アルク)なら、様々な国立大学の問題を解くことができるので、慶應対策として解いておくことをおすすめします。
② SFCをはじめとした他学部の超長文
慶應の他学部の長文に触れることも、あらゆるテーマの長文読解に対応する力をつける良い対策となります。
ただ、その中でも、特に解いておきたいのは慶應SFCの過去問です。
慶應大学で最も長い長文を出題する学部はSFCなのです。
語数は1題の長文につきなんと1500語程度(例年、全部で長文2題の出題)。
この語数にもかかわらず、選択肢問題も多く、文章を細部まで理解していないと解けない問題が大半です。
SFCの問題は、速読力と文章の分析力を問う良問なのです。
この語数に慣れておけば、他の学部の長文は怖くありません。
受験学部の過去問と並行して、普段の長文の勉強にSFCの長文読解を取り入れてみてください。
英語力をさらに伸ばしたい方には、充実した勉強になります。
関連記事:大学入試前の英語の勉強方法!長文読解、リスニングのコツは?
【まとめ】
今回は慶應の英語長文対策についてご紹介しました。
慶應の長文は他の大学のものと比べ、非常に長いのですが、精読力・速読力・要約力をバランス良く伸ばして行くことで確実に対応できるようになります。
まだ多くの長文をこなしてゆくのが難しいという方も、基礎文法を固め、読みやすい長文を読み、音読を積み重ねることで、必ずたくさんの長文を読みこなせるようになります。
特に、音読は長文が苦手な方にこそおすすめですよ。
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