慶應経済学部の入試の特徴は、作文・論述問題が課されるということです。
作文力・論述力をはじめとして、経済学部の入試問題に対応できる力を養成するには、適切な参考書を利用することが大切です。
今回は、慶應経済学部入試で課される各科目の参考書についてご紹介しますね。
気になる参考書があれば実際に本屋で手に取ってみましょう。
目次
慶應義塾大学の経済学部受験に役立つおすすめの参考書は?
慶應の経済学部は同大学の他学部と比べ、論述・作文の分量が多いのが特徴です。
しかし、多くの受験生が論述・作文に抵抗感を持っているのではないでしょうか。
確かに、論述を行う際、自分の頭の中で知識を総動員して考えなければなりませんが、基本事項をきちんと勉強した上で対策を取れば、合格をもらえるレベルには十分届きます。
そのため、参考書選びで大切なことは、基礎事項を網羅した参考書と、応用・難関レベルに対応した参考書を併用する必要があります。
今回は科目ごとに、基礎をおさえた参考書・慶大経済学部に特化した参考書を確認して行きます。
まずは、全体の配点の大部分を占める英語の参考書からご紹介しますね。
<英語>
英語は配点が最も高く、一番合否の決まりやすい科目です。毎年2題(合計2500語程度)の長文と、その長文に関する英作文が出題されます。
英作文は長文の内容について200字ほどの意見を述べるため、長文の内容を確実に把握しておく必要があります。
☆長文読解
慶應経済の長文読解は時間内に読み切る「速読力」が必要です。
また、英作文で内容に関する自分の意見も問われるため、長文内容の詳細を把握する「精読力」を養う必要もあります。
したがって、参考書・問題集は、速読力と精読力の両方を強化できるものを選ぶことがポイントです。
おすすめは次の通りです。
・「キムタツの私立大学英語リーディング超難関大学編」
1000∼2500語の超長文が出題される早慶などの難関私立大学に特化した問題集です。
何といっても、的確な解説が掲載されているので、超長文の自学自習用問題集としては一番おすすめできますよ。
また、CD付きで、解き終わった長文を音声で確認できるので、復習時に役立ちます。
CDに合わせて復唱(シャドーイング)したり、音読したりすることで慶應経済の英語長文を時間内に読み切る速読力を付けることが可能です。
・「英文標準問題精講」(旺文社)
精読の力を付けるのに一番おすすめの問題集です。
こちらは100∼150語の短い文章が200題以上収録された問題集ですが、この短い英文は抽象的な内容のものが多く、文法力のみならず精読力が問われる良問揃いです。
これら約200問をこなせば、慶應経済の長文の内容を理解する力は確実に付きます。
この問題集は文章内容・文法事項ともに難関レベルなので、難しいと感じる方は同じ旺文社から出されている「基礎英語長文問題精講」から始めましょう。
こちらも、英文を読む際に必要な要点が盛り込まれているので、読解の基礎固めには最適です。
☆英作文
慶應経済は自由英作文が特徴的です。
英作文の力を付けるためには、文法力・表現力・文章構成力が必要です。
特に、文法力は最も大事だと言って良いでしょう。
これらの力を付けるのに適した参考書をご紹介しますね。
・「Next Stage」(桐原書店)
「Next Stage」は基礎を徹底的に網羅した英文法・語法問題集ですが、文法の知識や英語表現の知識は英作文を行う上で非常に大切な材料となります。
まず文法を知らなければ文章を書くことはできませんよね。
英作文で使う単語や語法は難しいものである必要はありません。
簡単な表現・単語を用い、自分の言いたいことを的確に伝えることが大切です。
したがって、基礎文法を確実に知識として定着させる訓練として、本書の文法事項を制覇すれば、英作文の表現の幅も広がります。
・「自由英作文編英作文のトレーニング」(Z会)
この問題集は慶應経済で出題される「自由英作文」に特化した問題集です。
難関私立・難関国立受験者向けの問題集ですが、英作文の構成の仕方から分かりやすく解説している親切な問題集です。
要約・意見論述という慶應経済の入試問題に合う演習問題が収録されています。
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<数学>
国立受験者には数学が受験科目となるA方式の受験がおすすめ。
入学後も、慶應経済学部ではミクロ・マクロ経済の授業で数学を大いに使うので、数学は出来ていた方が良いでしょう。
難易度は標準・やや難です。
慶應経済の数学受験者の間で支持を得ている参考書は次の通りです。
・青チャート
日常学習と入試に対応した問題がバランス良く収録されています。
基礎から難関大入試レベルまで対応しているので、標準からやや難の問題が出題される慶應経済の数学に対応する力を付けるためには重宝します。
・Focus Gold(啓林館)
Focus Goldも青チャートと並び、数学のあらゆる分野を網羅する参考書となっています。
Focus Goldの多くの問題が、入試に実際に出題されるような問題に対応しています。
したがって、1問1問ある程度手ごたえのある実践的な問題で、標準からやや難の問題が出題される慶應経済学部の問題には最適の問題集でしょう。
解説は非常に詳しく、自学自習であっても分かるよう、丁寧に説明されています。
・大数1対1対応
青チャート・Focus Goldに続き、慶應の経済学部を目指す受験生が使用する参考書です。
問題のレベルは中堅大から難関大学に対応しています。最大の特徴は多くの数学参考書・問題集と比べて解説が非常に充実しているという点です。
別解のみならず、予想外の角度からの問題アプローチ法も紹介されているため、数学のセンスを身に付けるには最適の1冊です。
ただし、基本的な式変形については省略されているので、ある程度数学が得意な人向けの問題集だといえるでしょう。
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<世界史>
慶應経済の世界史の難易度は全体的に高い傾向にあります。
1500年代以降が範囲、頻出分野は現代史であり、特に現代アメリカ経済史について問われる傾向があります。
また、経済学部の世界史は何と言っても論述が最大の特徴です。
実際、例年現代史に関する論述問題が1~3題ほど出題されます。
特に、第二次世界大戦以降の時期から出題されるので、現代史の詳細も徹底的に覚える必要があります。
☆基本の通史
慶應経済は1500年代以降から出題されますが、それ以前の歴史を知らないと解けない問題もあります。
したがって、1500年代以後だけでなく、通史を行うことが必須です。
・「入試で点がとれる 佐藤の世界史B 頻出問題解法」(学研)
この参考書は初めて通史を行う際に、非常におすすめの一冊です。
左ページに年号・事件などの解説が板書のようにまとめられており、右側に力試しの問題が載せてあります。
コンパクトにまとめられているにもかかわらず、本当に大切なポイントが盛り込まれており、基礎知識を網羅しているので、基礎固めを行う際に重宝します。
まずはこの講義ノート兼問題集を1冊数周こなしましょう。
・「世界史B用語集」(山川出版社)
世界史選択した受験生の必須アイテムといえば「世界史用語集」。
全ての受験生が持っていると言っても過言ではありません。大切なのは「用語集を使いこなす」ことです。
この用語集には各用語の出題頻度も掲載されていますが、経済学部では出題頻度の低い用語が頻出します。
問題を解いて間違えた時、講義中や復習時に気になる人名・地名・事件名が出てきた時には、辞書のように用語集を引きましょう。
特に経済学部を受験するのであれば、用語解説の文章中に出て来るワードにもマーカーや傍線を引いて覚えておく必要があります。
論述を書く際の知識は用語集で補うことができます。
☆通史の問題演習
世界史は暗記ではなく、問題解いて覚えることが何よりも大切です。
世界史問題集として最も頼れる問題集をご紹介しますね。
・「実力をつける世界史100代題」(Z会)
通史で勉強した知識を試すためにおすすめの問題集は、この1冊に限ります。
通史の場合は、この1冊のみで十分です。
論述問題には対応していませんが、通史の力を付けるには最適です。文章の穴埋め形式の問題集です。
大問100題で分量が多く、基本事項からマニアックな問題まで幅広く対応しているので、経済学部を受ける場合でも知識の整理として利用しましょう。
☆現代史
慶應経済を受験するならば、現代史は念入りな勉強が欠かせません。
したがって、通史の他にも現代史に特化した勉強が必要です。ここでは現代史に特化した参考書をご紹介します。
・「攻略世界史 近現代史 整理と入試実践」(Z会)
問題集はZ会が充実していますね。
この問題集は、現代史の要点をまとめた参考書兼、問題集であるので、要点事項をまとめた部分に目を通してから問題演習に取り掛かることができます。
難関レベルの問題集なので、慶應経済の入試で扱われるようなテーマの対策を手堅く行えます。
これは数回繰り返しただけでは知識として自分の中に定着しないので、飽きるまで反復する必要があります。
☆論述
避けて通れない論述対策。一番の参考書は何でしょうか。
・「世界史論述問題集」(山川出版社)
この論述問題集は問題・解答・解説で構成されており、シンプルにまとまっているので非常に使いやすいです。
通史の論述問題ですが、現代史にも対応しているので現代史の部分に集中して取り組みましょう。
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<日本史>
1600年代以降が出題範囲で、近世と近現代の割合は3対7程度。特に社会経済史・戦後史・外交史の問題が頻出しています。
また、慶應経済の場合は、論述問題・史料問題が出題されるという点が特徴的です。
☆基礎
合格点するには基礎問題は必ず正解する必要があります。合格の条件・論述の土台となる基礎力を養成するための参考書をご紹介します。
・「日本史B一問一答」(東進)
慶應の経済学部を受験するのであれば、入試本番では基礎問題を落とせません。
そのため基礎用語は徹底的におさえておく必要があります。
東進の一問一答は、他の一問一答と比べて、入試の基礎レベルから、難関大入試レベルの問題をバランス良く収録しているので、日本史の基本を幅広くおさえる勉強には最も適した問題集です。
・「日本史B用語集」(山川出版社)
「日本史B用語集」は、日本史の学習に出て来るあらゆる用語を詳細に解説しています。
分からない用語や、問題集や試験で間違えた用語は必ずこの用語集で調べ、傍線やマーカーで印を付けておきましょう。
また、用語の理解は、論述を書く際に必須なので、1回確認するだけでなく何度も繰り返し目にするようにしましょう。
☆論述
論述は物事の本質をおさえた上で書く必要があります。そのため、解説の丁寧な参考書が必要です。
おすすめの論述問題集は以下の通りです。
・「日本史論述研究」(駿台文庫)
この参考書は国立向けの参考書ですが、解説が非常に丁寧、かつ歴史的な事象の本質から考える問題集なので、慶應経済学部の入試対策にも重宝します。
この問題集の全ての問題を解くことは難しいので、経済学部の過去問で出題された論述問題と類似する問題・まだ理解の徹底できていない分野の問題に絞って演習するのがおすすめです。
おすすめ:慶應義塾大学経済学部の日本史受験対策!高得点の取り方は?
<小論文>
最後に、慶應入試最大の特徴とも言える小論文の参考書についてご紹介します。
慶應経済の小論文では分野を問わず多様なテーマが取り上げられますが、まずは社会科学・経済学の基礎を固める必要があります。
その手助けとなる参考書は次の通りです。
・神崎史彦『大学入試小論文の完全ネタ本[社会科学系]編』
この小論文参考書は社会科学の頻出テーマを扱った本です。
各テーマ別にどのような解答が求められているのか、要点がおさえられています。
多くの予備校講師や塾運営者に支持されている参考書なので、小論文はこれ1冊をしっかりとこなしましょう。
また、経済学・社会科学に関する基礎知識も頭に入れておく必要があります。
この分野の入門書としては、菅原晃『高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学 』、伊藤元重『入門経済学 第四版 』、神崎史彦『大学入試小論文の完全ネタ本[社会科学系]編 』がおすすめです。
さらに詳細な小論文対策については「慶應義塾大学経済学部の小論文受験対策!高得点の取り方は?」の記事でご紹介しているので、気になる方はそちらをご覧ください。
【まとめ】
今回は慶應の経済学部に焦点を当て、おすすめ参考書をご紹介しました。
基本レベルの参考書から難関レベルの参考書まで様々ですが、まずは基礎レベルの参考書に手をつけ、それをある程度繰り返し勉強してから次のステップに進むことが大切です。
論述・英作文が特徴的な慶應経済とはいえ、基礎力がものを言うので受験本番まで基礎は大事にしましょう。
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