多様な職種の宝庫である銀行。
面接の際には、志望動機や将来の展望など、様々な角度から質問を受けます。
どの程度自分の目指す将来を描けば良いのか、そしてどのようなポイントをおさえれば質の良い回答ができるのか、事前に確認することが求められます。
今回は銀行への就職を目指す就活生向けに、面接の質問と回答や逆質問について、ポイントと回答例についてご紹介します。
目次
銀行への就活!面接の志望動機や逆質問の回答例を紹介!
銀行は職種の宝庫です。多種多様な業務が揃っているのみならず、日本国内に限らず海外支店まで存在します。
大切なことは、自分の強みを一番活かせる分野を見つけ出し、その分野にはどのような業務やプレジェクトチームがあるのか調査し尽すことです。
それでは、情報収集に基付いた重みのある回答をするには、何をすれば良いのでしょうか。
今回は銀行で頻出する5つの質問を取り上げ、ポイントと回答例について確認して行きます。
その前に、面接時に注意すべき、銀行の呼び方について触れておきますね。
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<銀行 面接での呼び方>
「銀行の就活質問対策!エントリシートの書き方と例文はこれ!」の記事でお伝えしたように、銀行は一般の企業とは仕組みが異なるため、書き言葉では「貴行」を使います。
一方、話し言葉(面接)の場合にはどのような言葉を使えば良いのでしょうか。
面接の場において、銀行は「御行」と呼びます。誤って「御社」と言わないように気をつけましょう。ちなみに信用金庫の場合は「御庫」です。
基本的に、書き言葉は「貴」を遣い、話し言葉は「御」を使います。
<質問>
銀行の質問で非常に良く聞かれるものは5つです。それは「志望理由」「長所・短所(自己PR)」「将来の展望」「学生時代に頑張ったこと」「逆質問」です。
ここではそれぞれについて、質問のされ方と、質問の仕方のポイント、そして回答例の3点を確認して行きますね。
・志望理由
質問例:「○○さんは、なぜ銀行業界、そして弊行を志望されたのですか。」
回答例:「私はお金を動かして人と人が繋がり、人とものが世界を行き交う仕組み作りに貢献したいと思い、銀行業界を志望致しました。
数ある銀行の中でも、御行は日本全体の貿易決済の4分の1を担っており、他の銀行よりも外国為替の豊富な実務経験がある点に強みがあるといえます。
私は大学で外国為替理論を研究しております。
毎回長期休みには短期プログラムを利用して、海外の大学にて為替の講義を受け、知識と見聞を広めるよう努めております。
御行における外国為替業務であれば、私自身の英語力・知識を総動員して御行の事業のお力になれると考え志望致しました。」
ポイント:志望理由で大切なポイントは、①なぜ銀行業界を選んだのか②なぜその銀行でなければならないのか(共感した点)③自分なら貢献できる、の3点を盛り込むことです。
志望動機で面接官に見られる点は、企業研究の緻密さ、そして志望者の熱意です。したがって、他の銀行の面接でも使い回せるような回答はすぐに見抜かれてしまいます。
大変な作業ではありますが、各銀行1社1社、それぞれにおいて使う回答をしっかり準備しましょう。
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・長所・短所
質問例:「○○さんの長所と短所について、それぞれお聞かせください。」
回答例:「私の長所はどのような人ともうまく作業を進めて行くことができる点です。短期プログラムでは国境を越え、国籍の異なる学生と議論し合いました。
学生たちは文化も、ものの見方も異なり、プログラム最後の発表準備の際には意見の食い違いが起ってしまいましたが、分裂してしまったチームを上手くまとめられるよう、それぞれの言い分を聞き、つなげる努力を行ないました。
その結果、各チームの中で最優秀賞をいただくことができました。このように、人とうまく意思疎通し、人をつなげてゆく力は、御行にて海外の金融機関とやりとりを行う際に活かすことができると考えております。
一方短所についてですが、私は一つの仕事に真剣になりすぎてしまう点が欠点だと思っております。
しかし、長所でもお伝えしたように人と協力してゆくことに長けているので、周りの方と協力して仕事を進めて行くことで、視野が狭まることを防げます。
また、短所ではありますが、これを上手く利用すれば、業務に集中し効率よく進めることができると考えております。
長所も短所も、両方活かして、御行の外国為替業務の更なる活発化を目指したいと考えております。」
ポイント:この質問に答える際には、ただ質問された通りに長所・短所を挙げるのではなく、「それらの長所・短所を仕事でどう活かしてゆくか」ということにまで言及する必要があります。
長所については、あらかじめ両親や友達などあなたの身近な人に聞いておきましょう。この下調べを踏んでおけば比較的応えやすいでしょう。
一方で、短所の場合は答えにくいのではないでしょうか。というのも、いざ短所を挙げるとすると自己否定のようなものに陥ってしまい、あなた自身のマイナス面を強調することになってしまうからです。
そこで、よく考えておきたいことは「なぜ面接官は短所を聞くのか」ということです。
面接官は短所を聞くことで「その志願者がどれほど誠実に自分の弱点に向き合い、前向きに考えて行こうとしているのか」を知ろうとしているのです。
したがって、短所について答える際には①誠実に自分の現状を把握している②短所はあってもそれを補い活かしてゆく方法がある、という2点について必ず触れましょう。
この2点を抑えることで、自分を冷静に客観視し、前向きに進んで行ける人物であるという印象を面接官に与えることができます。
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・将来の展望
質問例:「あなたは10年後、弊行でどのような事業に携わっていると思いますか。」
回答例:「10年後は御行のグローバルサービス部において、外為お取引の件数の多いお客様の動向・傾向について緻密に分析し、情報発信することで、外貨システムの契約の獲得、そして御行の収益に繋げていると考えております。
御行はお客様に価値あるサービスを提供すること、お客さまと共に発展することを一番の理念とされています。
外国為替業務を通して、お客様により質の高い情報をご提供できるよう、持ち前の外向的な性格を伸ばして営業活動にも力を入れて取り組んでいると考えております。」
ポイント:将来の展望について具体的に描けている人ほど、銀行に入った後も主体的に行動し、目標に近づくことができます。
あなたが将来の展望について面接官に伝える際には、2点のポイントがあります。それは①あなた自身のキャリアプランについて伝えることと②志望銀行の今後の方針と合致していることです。
自分の展望と銀行の展望がかけ離れていては、お互い思うように行きません。
そもそもお互いの方針が合致するかどうか知るために、面接を行うのですが、自分が入りたい銀行であれば、あなたの方針と銀行の方針は自ずと合致するはずです。
将来の展望について回答を考える際には各銀行の「経営計画書」やホームページなどに載っている「トップメッセージ」を参照しましょう。
これらの資料には銀行の最重要目標が要約されています。自分の展望も、これらの方針の助力になるような方向で書いていきましょう。
・学生時代に頑張ったこと
質問例:「学生時代に一番頑張ったことをお聞かせください。」
回答例:「学生時代に一番頑張ったことは塾講師のアルバイトです。もちろん、大学での勉強や海外の短期プログラムについても非常に力を入れていたのですが、印象に残っているのはアルバイトです。
塾講師の仕事を通してお客様のご要望にどう応えていくことができるのか、真剣に考える機会に多く巡り合いました。
毎年成績で悩む方がいらっしゃるのですが、最初はどのようにサポートすれば良いのか分かりませんでした。
しかし、講師の仕事を続けてゆくうちに、自分から受講生の方に働きかけることが大切だと気付きました。
その後は私も講師として悩みを持った受講生の方と一緒に過去の成績を徹底的に分析し、情報の整理を行いました。
その結果、受講生の方の成績も次第に上がるようになり、最終的には第一志望校の合格へと導くことができたのです。
自分から積極的に働きかけ、とことん情報を交換・分析する姿勢は、御行の外国為替業務を通して法人のお客様や海外の金融機関とやりとりをする際に、大きく貢献できると考えております。」
ポイント:学生時代に頑張ったことについて、非常に悩む方が多いものです。大半の人が「特に特別なことはしていないから、話せることが何もない」と頭を抱えます。
実は特別なことなど経験していなくても、説得力のあることはいくらでも書くことができます。
アルバイト、ゼミ、サークルなどありきたりな経験から、いかにあなた独自の気付きが得られたのかを言葉にすれば良いのです。
そして、自分の経験か得られた気付きを、就職後にどのように活かして行くのかについても、一言添えましょう。これを加えることで、より説得力のある回答ができます。
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逆質問
質問例:「質問は以上です。最後に○○さんから質問しておきたいことはありますか。」
回答例:「外国為替業務の中でも、輸出業務に取り組みたいと考えているのですが、そちらのグループに入るために必要な勉強などはございますか。」
ポイント:個人面接の場合は、最後に質問できる機会が与えられます。これはいわゆる″逆質問″と呼ばれるものです。
聞きたいことがあるか尋ねられたら、必ず質問するようにしましょう。(質問の場が設けられないこともあるので、その場合には質問は避けましょう。面接の時間が限られているためです。)
あなたから志望銀行について質問することで、面接官は「この学生はうちの銀行の業務にとても興味を持っているのだな」とあなたの熱意を感じます。
質問が無いと、素っ気ない印象を与えてしまい、「本当にこの学生はうちの銀行でやっていけるのか」と面接官も不安になります。
質問をするのであれば、良い質問を用意したいものです。良い質問とは、将来を見据えた質問です。
例えば、あなたが将来海外支店の業務に携わることを望むのであれば、入行後にどのような勉強をすれば良いか、ということ聞くと良いでしょう。
このように、一歩踏み込んだ質問を行なえば、自分の将来の展望をより具体的なものにしてゆくことができ、今後の面接においても、より印象的な回答を返せるようになります。
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【まとめ】
銀行の業務は驚くほど多様です。そのような組織を志望し、面接に臨む場合には部署だけでなく、ある程度自分が所属したいプロジェクトチームなどの理解ができていることを示す必要があります。
各銀行のホームページ内の採用情報は熟読し、各部署・運営チームに所属する行員のインタビューには必ず目を通しましょう。
インタビューに目を通すことで、あなたの進みたい道も見えてきます。
面接回答の質は情報集めで決まると言っても過言ではないので、早めに情報収集するように心がけましょう。
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