研究によると、4歳の幼児期には「適切な教育」が必要だということが明らかにされています。
この時期に「適切な教育」を受けたかどうかで、その後の学習の伸びが変わってくるというのです。
しかし、この「適切な教育」というものを誤解してしまっては効果がありません。
それでは一体、4歳児にはどのような教育を行なえば良いのでしょうか。
今回はこの「適切な教育」というものがどのような教育であるのか探りながら、4歳児のおすすめの幼児教育方法についてご紹介します。
目次
4歳児におすすめの家庭で出来る幼児教育とは?
3~4歳期の時期においては、これまでも様々な研究が行なわれてきました。
ノーベル経済学賞を受賞したヘックマン教授によると、3、4歳の時期に適切な教育を受けなかった場合には、その後教育投資をしても学習意欲を高めることは困難であるということが明らかにされています。
「それなら、早く読み書きや計算を覚えさせなければ」と焦ってしまいそうになりますが、ヘックマン教授の言う「適切な教育」とは、実は早期教育のことではありません。
実際に、多くの研究者が幼児期の早期教育に対して否定的な意見を持っています。
4歳児の教育については、この「適切な教育」というキーワードが鍵を正確に理解することが鍵となりそうですね。
そこで、今回は小学校就学前の4歳のお子様にとって「適切な教育」とはどのような教育なのか、ご一緒に確認してまいりましょう。
<4歳児の教育の3本柱>
4歳児のお子様の教育には3本の柱があります。
この3本柱が「適切な教育」の重要な要素となるのです。
早速その3本柱についておさえて行きましょう。
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・英才教育ではなく、普通の遊びを「存分に」楽しむこと
英才教育は頭の良い子や天才を生み出すと思われがちですが、実はそうではありません。
英才教育を行なって実際に効果の表れるお子様は、全体のわずか5%以下しか存在しないことが実情です。
なぜならば、人間の心身はその時期に合った成長ができるように仕組まれているためです。
これを踏まえると、英才教育とは人間の自然な成長に反したものと言っても過言ではありません。
本来の成長に合わせた教育方法ではないので、お子様の成長に効果がないだけでなく、むしろ成長が遅くなったり、偏ったりしてしまうのです。
大切なことは、4歳のお子様の成長に合わせた教育を行うことです。
でも、成長に合わせた教育を行うようにと言われても困ってしまいますよね。
どのような教育が「適切な教育」なのかというと普通の遊びを存分に楽しませることです。
ポイントは「存分に」という部分です。
大人にとっては実感しにくいものですが、4歳の子どもは普通の生活の中でさえ、多くのことを学んでいます。
4歳児は興味を持てる対象を見つけると夢中になってしまいますよね。このような経験が大きな成長につながるのです。
4歳児のみならず、幼児期全体の教育として大切なことではありますが、日常の中で芽生えた関心を追究することが大切なのです。
日常の中でお子様が何かに対して好奇心が芽生えたら、親はそれについて一層掘り下げることができるように手伝いましょう。
たとえば、昆虫に興味を持ったら、昆虫博物館に連れていったり、一緒に虫取りに出かけたりしましょう。
このように、日常の遊びの中で関心の対象を見つけることで、子どもは勉強せずとも自発的に考え、学ぶ力を身に付けてゆくのです。
・「生活習慣」を身に付けること
生活習慣が子どもの学習能力・知的好奇心を伸ばすなんて、意外だと思いませんか。
でも、生活習慣がお子様の成長に大きな影響を及ぼすことは、実際の研究からも明らかにされています。
ベネッセ総合研究所の調査によると、3~4歳で生活習慣をしっかりと身に付けたお子様は、その後の「学びに向かう力」や「考える力」の伸びしろが大きくなることが明らかになっています。
したがって、この時期には自分のことは自分で行なう、という自立を促す必要があります。
おもちゃは自分で片付ける、脱いだ洋服はきちんとたたむ、食事の後は欠かさず自分から歯磨きをする。
このような基本的な生活習慣がしっかりと身に付いているか、一度振り返ってみましょう。
小学校に通う前には、勉強を覚えさせるよりもまず、生活習慣を身に付けることが最優先です。
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・「コミュニケーション」と「考える力」をつけること
4歳の時期に是非身に付けておきたいものは「コミュニケーションの力」と「考える力」です。
これは幼児期に文字の読み書きを行うことよりも大切なものです。
幼児期にみんなよりも一足先に文字や計算を覚えさせても、小学校に上がればほぼ全員それらを習得することができます。
また、一足先に読み書き・計算を覚えたとしても、物事に取り組む際に一番大切な思考力を培ってこなかったために、計算の応用や複雑な文章を読むことに苦戦する可能性があります。
そのため、かえって平均よりも遅れを取ってしまうことが多いのです。
4歳の幼児期には何よりも、家族の間で頻繁にコミュニケーションを取ること、好奇心を満たすこと、そして家族で楽しい経験を共有することが大切です。
一番身近な家族との触れあいを通して、お子様は語彙力を身に付けて行きます。
「語彙力」という言葉を耳にすると、勉強して身に付けるものだと思ってしまいがちですが、日常の会話からもお子様は多くの言葉を吸収しています。
また日常の会話を行うことで、インプットした言葉をどのように組み合わせ、自分の伝えたいことを表現できるのか、自分の頭で考える絶好の機会にもなります。
家族との意思疎通を十分に取ることによって「コミュニケーション力」はもちろん、「考える力」の実践を行うことができるのです。
このように語彙力・思考力は、お金をかけた教育の投資とは関係ありません。
家族で楽しい経験を共有することが一番成長につながるのです。
<具体的な教育方法とは?>
さて、前の項目では4歳児のお子様に必要な教育の3本柱をご紹介しました。
これだけでは抽象的で分かりにくいので、この項目ではこの3本柱をどのように実践すれば良いのか理解するために、具体的な活動・遊びについて確認してみましょう。
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・興味のある習い事を始めてみる
4歳になったら、幼稚園と家の他に、さらに別の居場所を作るのも良いでしょう。
好奇心の幅も広がりますし、習い事で出会う先生や友達との交流からも大きな学びを得ることができます。
習い事を始めるとなると、何を習わせたらよいか迷ってしまいます。
大切なのは、お子様が普段何に興味を持っているか慎重に振り返り、その興味に関連した習い事を選ぶということです。
つい、「この子にはバレエを習わせたい!」というような親の希望を優先してしまいがちですが、最優先はお子様の興味を深めてあげることです。
まだ、特に何に興味があるのか、親から見てもよく分からない場合には、様々な体験教室に連れて行くのが良いでしょう。
いくつか体験教室に出ているうちに、お子様がとりわけ関心を持つ習い事が見つかる場合もあります。
初めて触ったピアノに物凄く興味を持ったり、空手に興味を持ったりするかもしれません。
様々な体験教室に顔を出して、その中で一番興味を持った習い事に通わせてあげましょう。
また、習い事として幼児教室に通うこともあるでしょう。
最近はたくさんの幼児教室が日本全国で展開されており、子どもの将来のために通わせたいと思われる親御さんも多いものです。
このサイトの他の記事でお伝えしている幼児教室は非常に質の高い教室で、先生も専門的な知識を身に付けている方ばかりなので、気になる方はご参考にしてみてください。
ただ、幼児教室の習い事について注意しておきたいことは、「お子様自身が幼児教室に興味を持てるかどうか」ということです。
もしも幼児教室に通わせてみて、お子様が嫌がるようでしたら、続けさせるのはやめた方が良いでしょう。
必ずしも幼児教室がお子様の将来の成功を約束してくれるわけではありません。
習い事で何よりも大切なのは、お子様自身の「好奇心」なのです。
4歳のお子様が大きな興味を示して取り組む習い事であれば、間違いなく最高の教育となりますよ。
・旅行に連れて行く
お子様が4歳ごろになれば、家族での旅行も行きやすくなるのではないでしょうか。
旅行に連れて行くこともお子様にとって非常に良い体験となります。
好奇心旺盛のお子様には、日常での体験ももちろん大切ですが、自分の知らない世界に触れてみることでさらに大きな関心を抱くようになります。
旅行先は自然の多い場所がおすすめです。
普段街中にお住まいであるのなら、なおさら4歳の時期に訪れておきたい場所です。
子どもは自然に触れることで、植物や動物、虫に興味を持ちます。
このように自然に触れることで、感性が磨かれ、小さな命に対する思いやりの心を持つようになります。
自然の多い場所に旅行する際には、虫取り網や手軽な図鑑を携帯していくと、より一層遊びが充実するでしょう。
自分が見たものを図鑑で調べ直す作業も大切な能力の一つとなります。
また、旅行は家族で楽しい思い出を作る絶好のチャンスでもあります。
先ほどお伝えしたように、家族で楽しく過ごすことは4歳のお子様に大きな影響を与えます。
旅行を通して家族間のコミュニケーションを増やすことで、自分の言いたいことを伝えるための語彙力が付くのです。
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・片付けや掃除をする
3本柱の項目でもお伝えしたように、生活習慣を身に付けることが、後の学習能力や思考力につながります。
小学校就学までに片付けや掃除を自分で行う習慣を作りましょう。
多くのお子様は片付けが嫌いな場合が多いものです。
どうしたら片付けを好きになってもらえるものか、と頭を抱えるお母さん・お父さんも多いのではないでしょうか。
実は、片付けが嫌いなお子様におすすめの幼児向け教材があります。
それは「こどもちゃれんじ」です。
「ベネッセこどもちゃれんじの口コミや体験談、料金はいくら?」の記事でもご紹介しましたが、この教材はこどもの興味関心を広げてくれるだけではなく、生活習慣を楽しく身に付けられるような工夫も施されています。
お子様の普段の学習と一緒に、生活習慣まで身に付けてしまえる幼児教育は他にはあまりみられません。
(決して宣伝ではありませんが、)幼児教育にも関心があり、生活習慣もきちんと身に付けさせたいという方は、お子様が自宅で楽しく気軽に学習できるこどもちゃれんじを始めてみても良いかもしれません。
また、自分自身のこと以外にも、家のお手伝いをさせてみても良い経験となります。
お子様は、お母さんのやっていることに非常に興味を持っています。洗濯を畳んだり、テーブルを拭いたり、掃除機をかけたりする親の姿を見て、お子様が「やりたい!」と言ったら、危険なもの以外は任せてみましょう。
そしてお手伝いをしている時には、たくさん褒めてあげましょう。
やり方が間違っている場合には叱るのではなく、お手本を示して、一緒に作業してみましょう。
このように、手伝う経験を通して、家庭の外でも助けを必要としている人の力になることができるようになるのです。
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【まとめ】
今回は4歳児の幼児教育についてご紹介しました。
これまで、1歳のお子様から4歳のお子様についての教育方法を確認してきましたが、一貫して共通点が1つあります。
それは「お子様の興味を大切に育てること」です。
習い事や遊びなど、すべてにおいて当てはまることですが、お子様の成長は「幼児期にどれほど自分の興味を追究できたか」に左右されます。
4歳からは習い事を始める機会も増えますが、親の希望を押し付けるのではなく、お子様がやりたがっている習い事を選びましょう。
ただ、生活習慣はある程度身に付ける必要があるので、片付けなどは苦手であっても楽しく克服するような訓練が必要です。
小学校就学前までに、お子様の興味関心を思う存分満たしながらも、生活習慣はきっちりと行えるような教育を意識しましょう。
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